まさに初志貫徹だ。巨人・阿部慎之助監督(44)が就任1年目から4年ぶりのV奪回に挑む。いきなりの試練となるが、どんなタクトを振るのかも注目の的。そうした中で異例ともいえる育成外国人選手を再獲得した背景に、阿部監督の「男気」と「信念」が表れている。

 2年連続でBクラスに沈んだ球団は激動に見舞われた。原前監督が退任し、10月初旬には阿部監督が就任。チーム再建が不可欠となった中で、球団は育成のエスタミー・ウレーニャ内野手(24)の獲得に踏み切った。

 ウレーニャは身長183センチでパンチ力のある右の長距離砲。しかし、2022年オフに巨人から戦力外となり、今季は楽天でプレーしていた。だが、その楽天からも11月下旬に戦力外を通告され、再び育成として巨人に入団することとなった。こうした異例の経緯をたどった裏で球団側に再獲得を要望していたのが、実は阿部監督だったという。

「阿部監督は就任後のかなり早い段階で、編成部にウレーニャの再獲得を希望したと聞いています。実はトライアウトの時、阿部監督は『5年で一人前にする』と彼の家族に約束していたそうです。巨人を戦力外となった昨年オフには、阿部監督が関係者を通じて楽天サイドに推薦していたとも聞きました」(球団関係者)

 現役時代から指揮官は勝負にこだわってきた。阿部チルドレンの再獲得はもちろん「情」だけによるものではない。阿部監督は二軍監督だった19年11月にドミニカ共和国で行われたトライアウトを視察。その際に将来性を見いだした〝逸材〟であるだけでなく、ウレーニャの家族との「約束」を果たすための再獲得でもあったわけだ。

 今オフは中田やウォーカーら多くの右打者がチームを去った。ウレーニャは昨季のイースタン・リーグで打点王に輝き、これからというところで巨人を戦力外となっていた。阿部監督は二軍戦で4番に起用するなど早くから才能を買っており、一軍のピースとして考えているという。

 来季が「約束」の来日5年目となるウレーニャは「日本でのキャリアをスタートさせてくれた球団に戻ることができて感謝の気持ちでいっぱいです」と力を込めていた。

 もちろん本人の頑張り次第だが、監督の期待通りにバットで応えられれば、支配下昇格から一軍での大暴れも決して夢ではなさそうだ。