これほど頼りになる「3番」はいない――。侍ジャパンは18日、アジアプロ野球チャンピオンシップ第3戦のオーストラリア戦(東京ドーム)に8回コールドの10―0と投打で圧倒。すでに前日17日には決勝進出を決めていたが、無傷の3連勝で1位通過し、台湾―韓国の勝者と対戦する。

 13安打2桁得点と大爆発した打線の中でも最も躍動したのは小園海斗内野手(23=広島)だ。ここまでの2試合は「2番・遊撃」で先発出場も、井端弘和監督(48)はこの日は3番に抜てき。その期待に応えるように、いきなり初回無死一、二塁の好機で小園は先制の中前適時打を放ち、チームを勢いづかせた。

 3回一死一塁でも右前打で出塁すると、その後、万波(日本ハム)の適時三塁打で生還。さらに3点リードした4回一死満塁では押し出し四球を選んで1点を奪うと、6回にも無死一、三塁で併殺打の間に1点を追加した。

 結局、この日は4打数2安打2打点の活躍。これで今大会3戦連続安打で打率5割を誇り、直前の宮崎での練習試合を含めれば5戦連続安打と好調をキープしている。小園は「いいところで使ってもらって感謝しています。個人的にはシーズンでは悔しい思いをした。前半戦が全然ダメだったが、後半にかけてやってきたことをそのまま継続してできている。(積極的に)振りにいくことは忘れずにやっていることがいい結果につながっている。試行錯誤しながら、自分の考えを持ちながら、満足することなくこれからもやっていきたい」と気を引き締めた。

 若侍3番の働きぶりについて井端監督は「想定してました」とニヤリ。その上で「宮崎で3番も5番もどこの打順でも打たせたが、特に走者を置いた場面では23歳ですけど、何年もレギュラーを張っている選手よりうまいんじゃないかと思っている。困った時にそこ(3番)に置けばいい選手」と手放しで絶賛した。

 いまやカープだけでなく、侍ジャパンでも小園は必要不可欠な「3番」打者となっている。