楽天は13日、炭谷銀仁朗捕手(36)と来季の契約を結ばないことを発表した。

 炭谷は2005年にドラフト1位で西武に入団し、18年オフに巨人へFA移籍。2年半在籍した後、21年シーズン途中に金銭トレードで楽天へ移籍し、今季は65試合に出場していた。楽天側は炭谷にポストを用意したようだが、本人が現役続行を希望しているため、プロ19年目となる来季もプレーできる新天地を求めることになりそうだ。

 その炭谷には古巣・西武への〝出戻り移籍〟の可能性が注目されている。西武関係者の間では「そもそもギン(炭谷)は、当時の現場の方針で森(友哉)を主戦捕手にするために出場機会を奪われて、自ら身を引いた形の移籍だった。その森も辻監督もいなくなって、次の主戦捕手の育成を急がなければいけない状況の今、うってつけの抑え捕手候補じゃないか」と復帰を望む声が上がっている。

 18年オフに炭谷のFA移籍という〝代償〟を払って主戦に座った森は、それからわずか4年後の22年オフにあっけなくオリックスへFA移籍。結果的に西武はこの5年間で主戦捕手2人を失った形だ。

 現在は源田、外崎の鉄壁の二遊間コンビと組むセンターラインの構築にも苦慮しており「ポスト・森友哉」も喫緊の課題。今季は2年目・古賀悠斗捕手(24)が90試合でスタメン起用されたのを筆頭に、4年目・柘植世那捕手(26)が41試合、育成から支配下登録された2年目・古市尊捕手(21)は12試合だった。

 本来は〝抑え捕手〟として若手捕手へのアドバイザー役も務めるはずだった岡田雅利捕手(34)は、3月に左ヒザの荷重位置修正のため「大腿骨・脛骨骨切り術」という大手術を行い、まだ来季の復帰の見通しは立っていない。

 その岡田は、巨人、楽天時代の炭谷を「ギンさんは選手一人ひとりの性格を把握している。この打者はこの場面で長打は狙わない、追い込まれたらどういう(狙い球の)絞り方をしてくるかとか全て把握している。(チームの)中にいないと分からない情報、データに出ないデータを持っている」とそのしたたかさに舌を巻いていた。

 今季、森にごっそり〝この手の情報〟を持っていかれた西武は、オリックス戦で8勝17敗の大惨敗。これまで持っていかれるばかりだった〝数字に表れないデータ〟を回収するためにも、炭谷の「出戻り」には大きな価値があるかもしれない。