チーム再編成と主力の流出ドミノを加速させるか。楽天・石井一久監督(50)が今季限りで退任することが11日に分かった。今季からGM職を離れ、監督専任でチームの指揮を執ったもののシーズン成績は70勝71敗2分けでリーグ4位。2年連続Bクラスに沈み、CS進出も逃した。自ら責任を取る指揮官の事実上の辞任によって活発化するのが「血の入れ替え」も含めた選手の移籍だ。その中でも海外FA権を取得した松井裕樹投手(27)はMLB挑戦が現実味を帯びている。
大きな〝うねり〟が起こりそうな気配だ。10日の今季最終戦となったロッテ戦(楽天モバイル)に敗れた後、石井監督は「今日の試合に敗れて皆さんをCSにお連れすることができず申し訳ありませんでした」と地元ファンに謝罪。GM職を自ら解いて監督専任で臨んだ3年契約最終年の今季だったが、CS進出は果たせなかった。
前年に続き、最終成績はリーグ4位。周囲から「最低でもAクラス」を厳命されていたこともあり、その責任を負う形で石井監督は球団に残ることなく退団する意向を固めた模様だ。
2年連続のBクラスとなれば、指揮官の退任は当然と言える。しかし楽天の「負の連鎖」は、それだけでは止まりそうにない。これによって拍車がかかりそうなのが、チーム再編と主力流出だ。
この日、球団側は2010年ドラフト1位で入団した塩見貴洋投手(35)、21年オフに日本ハムから移籍した西川遥輝外野手(31)、昨季61試合に登板した西口直人投手(26)ら11人の所属選手(育成4選手を含む)に戦力外通告を行ったと発表。石井体制にピリオドが打たれようとしているタイミングで突然の大ナタが振るわれ、球界全体にも衝撃が走っている。
そして、これとは別に石井監督の退任によってチーム内外で大きく注目されているのが、4月に海外FA権を取得した守護神・松井裕の去就だ。
プロ10年目左腕はチームの抑えとして今季59試合に登板。2勝3敗、防御率1・57、39セーブという好成績で2年連続となる最多セーブのタイトルを獲得した。本人はシーズン中こそ自身の去就に関する話題を封印していたが、球団関係者によれば「もともとメジャー志向が強い投手。指揮官の退任に合わせ、自身も新たなステージでの挑戦に覚悟を決めているはずです」。となれば、今オフのMLB移籍は一気に現実味を帯びる。
では、獲得に動くメジャー球団はあるのか。ナ・リーグの球団スカウトは「アメリカでは菊池(雄星=ブルージェイズ)と同等レベルの評価をしているチームが多い」と指摘し、次のようにも続けている。
「マツイはここ数年チームでは抑えとして活躍していたが、メジャーの複数球団は『先発でもいけるのでは』という評価をしている。まだ27歳と若いし、スタミナもある。落ちるボール(スプリット)の精度も年々向上しているようだし、大きな故障もない。少なくともウチを含め3、4球団は先発候補として獲得調査をしている。あとは本人の決断次第。MLB移籍なら最低でも3年総額15億円以上の契約は勝ち取れるはずだ」
今季の松井裕の年俸は2億5000万円(推定)。一気に年俸ベースで2倍増の評価となれば、本人の気持ちが異国に向かうのも無理はない。
現時点で松井裕は自身の思いを明かしていないものの指揮官の退任決定に合わせ、その動きが加速する可能性は高い。
石井監督の退任で風雲急を告げる楽天。次期監督候補として今江敏晃一軍打撃コーチ(40)の内部昇格案もささやかれる中、今オフの編成の動きから目が離せない。












