2023年シーズンは背水だ。来季から指揮官一本に専念する意向を固めた楽天・石井一久監督(49)のことである。

 昨年12月4日に正式発表された際、球団を通じて「今までも1勝でも多く積み重ねること、チームが勝つことを考えてきましたが、アプローチを変え、来シーズンに臨むことを決めました」とコメント。これまでの2シーズンは18年9月から担っている球団GM(ゼネラルマネジャー)も兼務していたが、監督就任3年目の来季については〝二足のワラジ〟でなく「シーズン中の事務作業は球団本部で行います」としている。

 監督兼GMとなった就任1年目の一昨年、チームは3位で何とかAクラスに滑り込んだものの、CSもファーストステージ敗退。2年目の昨季はBクラスに沈み、4位に終わっていた。このタイミングでGM職退任を決断したことには、自ら退路を断つことで今度こそ悲願を…という覚悟も見える。それは「引き続き、東北に歓喜をお届けしたいという夢を実現するために、全身全霊を注いでまいります」との言葉からもうかがい知れる。

「指揮官就任以来、ここまでの2シーズンはGMの重責も兼務していたから、チームの成績がふるわなくてもうがった見方をすれば、ある程度の弁明もできた。だが、監督一本になる今季はもう言い訳が利かない。そういう構図になることは石井監督ならば、あらかじめ分かっているはずだ。おそらく最後の勝負手に打って出ようというぐらいの気持ちでいるのではないか」(球団関係者)

 石井監督にはGM時代の19年シーズン終了後、当時の平石洋介監督(今季から西武一軍ヘッドコーチ)に対し、チームを前年の最下位から3位に導きながらも一軍監督の契約延長オファーを出さなかった経緯がある。

 平石氏の退団直後には「僕の中では3段階に分けたら(3位)はBクラス」と口にし、波紋を広げたのは記憶に新しい。こうした前歴もあって、石井監督にはSNSやネット上の間から「あの時の言葉は一体何だったのか」など厳しい声が沸き起こっているのが現状だ。

「そういう厳しい意見も承知の上で、石井監督はここまで4年間没頭し続けてきたGM職から離れ、指揮官のみに絞る一大決心をしたのだろう」と前出の関係者。石井監督にとって就任3年目は、チームに10年ぶりのパ・リーグ優勝ならびに日本一を呼び込むための「勝負の年」となる。