鹿児島国体の高校野球硬式の部は11日、鹿児島市の平和リース球場で準決勝が行われ、今夏の甲子園で16強入りした履正社(大阪)が7―8で同4強の土浦日大(茨城)に逆転負けを喫し、2016年以来、2度目の国体優勝を逃した。

〝くせ者〟を超えるにはやはり〝くせ者の息子〟しかいないようだ。巨人・元木大介作戦兼内野守備コーチと、元日本テレビアナウンサーでタレントの大神いずみの長男・翔大内野手(3年)が途中出場し、2打数無安打で高校最後の公式戦を終えた。

 2点リードした7回一死一、三塁の場面に代打で登場。2球目、117キロスライダーを捉えたが、左飛に仕留められた。その後、8回から三塁の守備に就くと、1点を追う9回二死一塁の絶体絶命の場面で第2打席が回ってきた。一発が出れば逆転サヨナラ劇の場面だったが、中飛に倒れて無情にもゲームセット。それでも試合後は「つないでくれたチームメートに感謝したい。今日の最初の1打席目でこれで高校最後だなと思っていたが、最後、結果出なかったのは悔しいけど、いい経験ができた。野球の神様は見てくれていたと思った」と、しみじみと語った。

 ケガに泣いた高校生活を送り、公式戦初出場は10日の花巻東戦だった。そんな中、2日連続で鹿児島まで駆けつけた両親にスタンドから熱い声援を送られた。「ずっとケガをしていたし、父親、母親が試合を見に来てくれることなんてほぼなかった。両親の前で打ちたかったのが一番だけど、打てんかったのは実力不足だし、反省点です」と悔しさものぞかせた。

スタンドで履正社を応援する巨人・元木大介コーチ(左)と大神いずみ
スタンドで履正社を応援する巨人・元木大介コーチ(左)と大神いずみ

 高校時代は「腰椎分離症」を発症するなど苦しんだが、やっと万全な体調となり、卒業後は関東の大学に進学し、野球を続けるつもりだ。「父親のように高卒(上宮)でプロというのはかなわなかったので、大学4年間でしっかり頑張ってプロ野球を目指せるような選手になりたい。いつかは父親を超えるプロ野球選手になりたい」と夢を語る。

 これまでの苦悩も吐露。「やっぱり周りから父親と比べられたりして最初は本当に(父親が)嫌いだった。父親がすごい選手だという自覚もなかった。年々野球をやるうちにすごさ、偉大さが分かっていった。今は憧れ、目標です」と打ち明ける。

 その上で「動画で見ただけですけど、父親の打撃は高校時代はホームランバッターと言われていたが、プロのレベルを実感して右方向や単打でつなぐ野球に意識を変えた。守備もどこを守ってもうまくこなす。〝くせ者〟と呼ばれた父親を超えていきたい」ときっぱり。

 大学4年後に「元木ジュニア」がプロ野球界で〝くせ者〟(父)を超える姿が見られるか、今から楽しみだ。