虎の背番号51に新たな勲章だ。阪神・中野拓夢内野手(27)が自身初となる最多安打のタイトルを手中にした。

 4日のヤクルトとの今季最終戦(神宮)に「2番・二塁」で先発出場した中野は4打数無安打。試合前の段階で「164安打」で並んでいた牧(DeNA)もこの日の巨人戦で3打数無安打に終わり、結果的にそのままタイトルを分け合う形となった。中野は単独トップを狙える機会もあっただけに、試合後は「ちょっと最後、情けない。何とか単独で取りたいなって気持ちはあったんですけど…」と苦笑い。それでも新人時代の盗塁王、昨季のベストナインに続き、3年目の今季は見事に打撃タイトルをゲットし「チームバッティングをしながらも最多安打を取れたことは、すごい自信になります」と喜びを口にした。

 打率2割8分5厘も自己最高の成績。母校・東北福祉大の恩師で大塚光二前監督(56)は、昨年までにはなかった〝進化〟を感じていたという。

「大学時代から体は小さくても、肝が据わっていて、大舞台でも臆することなくプレーできる子でした。2018年の大学選手権で優勝した時もそうでしたが、周りが緊張していても全然普段と変わらない。だから最後の1試合の勝負でも拓夢なら心配ないと思っていました」

 さらに今季から指揮を執る岡田監督との出会いも大きかったとみている。打順は2番に固定され、四球数も昨年の18個から57個に激増。大塚氏は「大学時代から初球から積極的にいくタイプ。それが彼の持ち味でもありました。一方でそれとは逆の打席での状況判断というか、積極性と冷静さを、自分でもうまく使い分けるようになったと感じます。だから、これだけの安打を重ねることができたのではないでしょうか」と推察した。

 東北福祉大出身の打者では金本知憲氏(元阪神・04年打点王)、和田一浩氏(現中日打撃コーチ・05年首位打者&最多安打&最高出塁率)に続く3人目の打撃タイトルだ。「教え子がプロで成功してタイトルまで取る選手になるなんて、非常にうれしいこと。さらなる活躍を期待します」と大塚氏。母校をはじめとする周囲の期待は今後も膨らむことになりそうだ。