大将の綱渡りは今後も続きそうだ。巨人は5日の中日戦(バンテリン)で延長12回に7―6で辛勝。今季最長4時間44分の総力戦に何とか競り勝ったが、波に乗れないのが中田翔内野手(34)だ。チーム内には右太もも裏肉離れの完治へ、二軍再調整を推す声もある一方で、坂本の故障離脱による戦力ダウンもあって本人も原辰徳監督(64)も悩ましい状況に陥っている。
最後は苦労人のひと振りで試合を決めた。初回に主砲・岡本和の3年ぶりとなるグランドスラムで先制しながら、試合はもつれにもつれた。そして5―5で迎えた延長12回一死二、三塁で、梶谷が相手9番手・祖父江から中前へ決勝の2点適時打。自らの1000試合出場に花を添え、薄氷の勝利を飾った直後のベンチ裏は歓喜に沸いた。
ベンチ入りさせた投手9人を全員使い切った原監督は「最後の力を振り絞ったというところ」とやや疲れた表情をのぞかせた。
打線は14安打を放ったが、5月上旬に右太もも裏の肉離れで一時離脱した中田翔は3試合連続でベンチスタート。延長11回に代打で出場して右飛に倒れると、そのままお役御免となった。最後に一発を放ったのは、6月26日の楽天戦(東京ドーム)。それ以降の10試合は打率1割1分5厘(26打数3安打)と低空飛行が続いている。本人も以前に「試合に出ながらだと良くなるはずもない」と話していたが、出番なしの日も挟みながら懸命に状態の回復に努めている。
ただ、ブレーキとなっていることは否めず、チーム内からは「タイミングのズレがあったり、バランスが崩れている状態。ケガの影響は少なからずある。治療も含めてファームで調整する時間をあげた方がいいのでは」と二軍再調整を勧める声もある。
しかし、事はそう単純ではなさそうだ。交流戦明けの初戦で攻守の要・坂本が右太もも裏の肉離れで離脱。今カードの中日2連戦こそ打線に復調の兆しが見られたが、坂本離脱後は7試合連続で2得点以下と大失速した。それだけに、別のチーム関係者は「ベンチに翔がいるのといないのでは大違い。勇人がいない上に翔までいなくなったら戦えなくなる。スタメンで出られなければ、代打の切り札としていてくれるだけで、相手へのプレッシャーにもなる。徐々に良くなってきているし、1本でもヒットが出れば変わる。今のところ、首脳陣もファームに送ることは考えていないようだ」と明かした。
となれば、故障の再発に細心の注意を払いつつ、試合に出たり出なかったりを繰り返しながら、状態を上げていくしかない。起用する原監督も難しい調整を余儀なくされる中田翔もがまんの時となりそうだ。











