巨人は4日の中日戦(バンテリン)に5―1で快勝。極貧にあえいだ打線は7試合ぶりに3得点以上をマークしたが、その立役者は大城卓三捕手(30)だ。トドメの11号3ランを放ち、チームに漂うモヤモヤムードも切り裂いた。自己最多を更新するペースでアーチを量産する大城卓だが、打撃の進化はもちろん〝罰金危機〟も乗り越えていた。

 久しぶりの快勝だ。3回に丸の10号2ランで先制すると、先発した山崎伊がリードを守り抜く7回1失点の好投。次の1点が試合を左右する展開で、大城卓が8回に右翼席へ豪快な3ランを叩き込んで勝利を呼び込んだ。

 交流戦明けからこの日の試合前まで、7試合でわずか12得点。チーム打率は12球団最悪の1割8分9厘に低迷していた。3得点以上を挙げたのも、坂本が故障離脱した6月23日の広島戦(マツダ)の5点が最後だった。

 しかも大城卓が仕留めたのは3ボールから。本人は「1点差だったのでキャッチャーとしても点が欲しかった。1球待つとかではなく、あそこはもう打ちにいきました」と笑みを浮かべ、原監督も「あそこで集中力を持って1球にかけられるのは、なかなかいない。少なくとも東海大学(出身)では彼1人だと思う」と舌も滑らかだった。

 大城卓の自己最多本塁打は昨季の13発。このまま順調にいけば記録更新は確実で、年間22発ペースだ。3月のWBCでは侍ジャパンの世界一にも貢献。ここまで主戦捕手として攻守で活躍を続けているが、今年は〝ツキ〟も味方につけている。というのも、あわやチームから罰金刑を食らう危機を運よく回避していたからだ。

 それが起きたのは6月10日のソフトバンク戦(ペイペイ)。4回の第2打席で9号3ランをかっ飛ばしたまではよかったのだが、4打席目に右ヒジ付近に死球を受けて途中交代となった。実はこの時、大城卓は故障を防止するヒジ当てを着けておらず、当たり所が悪ければ大ケガにつながる可能性もあった。

 仮に離脱していたらどうなっていたのか…。阿部ヘッド兼バッテリーコーチによれば「罰金だよ」とズバリ。自打球や死球などへの備えとしてスネ当てなどの防具を着けることはチームとしての鉄則で、特に大城卓の場合は「右投げ、左打ちは絶対に(ヒジ当てを)着けなきゃダメ」とクギを刺した。あえて口を酸っぱくしたのも、チームに不可欠な戦力だからだけでなく大城卓への〝親心〟からだ。

 当の大城卓は「しくじりました…」と頭をかいていたが、幸いにも大事に至らず。年々進化する打棒だけでなく、運も味方につけた背番号24はひと味違うようだ。