いよいよ波に乗ってきた。巨人が15日の西武戦(東京ドーム)に3―2でサヨナラ勝ち。今季2度目の5連勝で交流戦単独首位に浮上した。ヒーローは延長10回に巨人移籍後初のサヨナラ打を放った梶谷だが、8回2失点の先発・山崎伊からバトンを託され、無失点リレーで劇的勝利を呼び込んだ救援陣の働きも見逃せない。「魔の8回」や「魔の7回」と揶揄(やゆ)されたのは過去のこと。4試合連続無失点と好調のブルペン陣は、若きエースの雄姿を刺激に奮起している。

 粘って、粘って、勝利をつかんだ。先発の山崎伊が8回106球を投げて2失点と力投し、1―2の7回に大城の適時打で追いついた。西武救援陣の粘りもあって試合は延長にもつれ込んだが、最後は10回一死一、二塁から梶谷が左中間へはじき返し、今季5度目のサヨナラ勝ちで同一カード3連戦3連勝を決めた。

 救援陣の粘投リレーも光った。9回には守護神・大勢が先頭の渡部を自身の失策で出塁させ、次打者・長谷川の場面でまさかの危険球退場。しかし、無死一、二塁からスクランブル登板となった中川が空振り三振&三ゴロ併殺打と完ぺきな火消し。10回は高梨―菊地のリレーで勝ち越しを許さなかった。

 窮地をしのいだ8年目左腕の中川は「正直、急な出来事だったので、内心は心臓バクバク。『こんなところで出すなよ』って気持ちでしたけど、チームも勝って、大勢にも負けが付かなくて良かったかなと思います」。原監督も「粘って、粘ってね。(9回は)1点くらい覚悟しなきゃいけないなというところで、見事に(中川が)2人の打者で帰ってきてくれたのは大きいですね。少々アクシデントはありながらね。救援陣はよく頑張ったと思いますね」とブルペン陣をねぎらった。

 今季前半戦は守護神・大勢につなぐ継投で失敗が重なり「魔の8回」などと言われた救援陣も、これで4試合連続無失点と安定してきた。その背景には「若きエースの背中」が関係しているという。ある救援投手が明かす。

「(5月9日の新潟でのDeNA戦で)戸郷が143球で完投勝利したことは大きかったと思います。あの姿を見て何も感じなかった救援陣なんかいないと思います。『あれだけ戸郷が頑張ってくれてるんだから、俺たちも頑張らなくちゃしょうがねえだろ!』って、みんな火が付いたはず」

 今季のブルペン陣は菊地や田中千ら経験の浅い若手が多かったこともあり、春先から何かとバタバタだった。ただ、5月は6・14とボロボロだった月間救援防御率も6月は2・83と正常に戻りつつある。もともと得点力はリーグ上位なだけに、逆転Vを目指す上でブルペン陣のさらなる奮起は欠かせない。