巨人のエース・菅野智之(33)が復活に向けてもがき続けている。3月18日の日本ハムとのオープン戦(東京ドーム)で右ヒジの張りを訴えて緊急降板してから約2か月半。28日にイースタン・リーグのヤクルト戦で実戦復帰を果たしたが、まだ一軍復帰までは見えていない。それでも通算117勝右腕にはチームの将来にも大きな影響を及ぼす重大な役目が期待されているという。
一軍マウンドへの道のりは長い。巨人は借金1のリーグ4位で30日から始まる交流戦(ロッテ戦・ZOZOマリン)を迎えるなど依然として苦しい状況が続くなか、投手陣の大黒柱・菅野はいまだ今季一軍登板がない。
なんとか二軍戦で実戦復帰し、3回3安打無失点とまずまずの投球を披露したものの、原監督は「一応マウンドに上がったということは、本人にとってもチームにとっても良かったと思いますけどね」と話すにとどめ、阿波野投手チーフコーチも「長い時間を要して、ここまで来たわけですから。そこはやはり簡単なことではない。今は若い投手もこれだけ必死に投げているわけですから、そこと比較して、すぐにどこかで投げるというよりか、もう少し時間は必要かなと思います」と早期一軍復帰には否定的な見解を示した。
そもそも菅野は何にそれほどまで苦心しているのか? ここまで二人三脚で再調整をサポートしてきた久保康生投手コーチ(65)は右腕の現状についてこう明かす。
「(選手は)34、35の年齢になってくると、非常に難しい過渡期に入ってくるよね。体力は落ちてきている中で、そこに技術がついてきて…。そこでもどかしいところが出てくる。菅野も見ていると年々、投球時に腕が下がってきているんですけど、本人も『なぜかうまく(右腕が)立たない』と。僕も菅野も腕は立てたほうがいいと考えているので、今は互いに話し合いながら体や力の使い方を洗い直しています」
若手に交じり、ジャイアンツ球場で試行錯誤する日々を過ごしながら、復活への道を模索する菅野。一軍復帰はチームにとっても大逆転Vへの必要最低条件だが、エースには別の使命もあると久保コーチは言う。
「やっぱり菅野はチームにとって、キーとなる存在。こういう形でドン、ドン、ドンといい形に持っていけると、そばで見ている若い子たちにとってもすごくいい指針になる。菅野が担っている部分はそこもある。若い子が『あの人でもこんなことするんだ』『これだけ練習するんだ』となる。臆せず、恥じることなく、裸になってさらけ出していくという部分では、既に菅野はいい形、空気を出してくれていると思います。そういった話は本人に要望として伝えてあるし、期待しているところです」
復活に向けてもがき苦しむ背中は、後輩たちにとって何よりの教材となる。しかし、結果が伴ってこそ説得力も増すというもの。未来のチームに「エースの轍(わだち)」をはっきり残すためにも、まずは一軍復帰が絶対条件だ。












