久しぶりの劇薬注入だ。巨人・原辰徳監督(64)がエースナンバーを背負う菅野智之投手(33)に皮肉たっぷりのハッパをかけた。コンディション不良の影響で開幕ローテーションに入れず、いまだ実戦復帰の見通しも立たない状態。チームが低迷する中での長期離脱に、指揮官のフラストレーションも日に日に増大している。

 9日のDeNA戦(新潟)で連敗を3で止めたチームは、10日に帰京した。投げては戸郷が志願の完投勝利。往復の移動日を含め、登板過多だった救援陣に〝3連休〟をもたらす力投に、一夜明けても原監督の表情は晴れやかだった。

 しかし、4月7日に始まった借金生活からは依然として抜け出せないまま。今週こそ5試合で先発の頭数は足りるが、安定した投球を続けているのは戸郷と新助っ人のグリフィンの2人だけだ。

 開幕投手を務めたビーディは0勝4敗、防御率5・47で未勝利のまま出場選手登録抹消となる大誤算。9日のイースタン・リーグ楽天戦で〝出直し先発〟したものの、初回にいきなり4点を失い、5回7安打4四死球の荒れた内容に終わった。

 こうなると、実績のある投手が頼みの綱になってくる。チームスタッフも「若手にチャンスと言っても継続して勝てる保証はない。柱があってこそ若手も試せる。やはり智之でしょう」と菅野をキーマンに挙げていた。

 ただ、その菅野は右ヒジの張りで開幕前に一軍を離れ、実戦復帰に至っていない。そして、ファームから報告を受けているであろう原監督が、エース右腕の近況を問われると言葉に強烈な皮肉を込めた。

「逆に聞きたいよ! 取材してきてよ。『何してんですか?』って。自主トレの時は12月から動いているのに、もうすぐ6月になろうとしているわけだから。12月、1月は絶好調だったんだから」

 指揮官としては歯がゆさが募るばかりなのだろう。当初の構想では菅野と戸郷が〝2大エース〟として君臨し、ビーディとグリフィンの新助っ人2人が脇を固め、残る2枠に若手有望株が入るはずだった。先発ローテの柱となるべき4本のうち2本がいなくなり、菅野は復帰のメドも立っていない。

 三沢二軍投手チーフコーチによると、菅野には「首の寝違え」があり、「(一軍復帰への)プランは体しだい。投げてみないと分からない。何とも言えない」と歯切れが悪かった。

 もっとも背番号18も望んで今の状態にいるわけがない。先発陣の安定、チームの逆襲に不可欠な存在だけに、ビッグカムバックが待たれる。