屈辱のBクラスに沈んだ巨人・原辰徳監督(64)が本紙の独占インタビューに応じ、来季構想を激白した。2回にわたってお届けする前編は、過渡期を迎えた投打の主軸の2人について。坂本勇人内野手(33)はたび重なる故障に見舞われ、菅野智之投手(33)も前半戦は不調に苦しんだ。幾度となくささやかれた坂本の遊撃からのコンバート。当事者はどう考えているのか…。ズバリ聞いた。(インタビュー・大島啓)
――改めて秋季キャンプの総括を
原監督 野球の話?(笑い)。まあ、日本で一番いい気候の中で原点に戻れて、私自身もいろいろなことを顧みることができた。選手も含め、いろんな練習方法をやったことは非常に良かったと思います。川相(総合コーチ)やデーブ(大久保打撃チーフ)、久保ちゃん(投手巡回コーチ)、阿波野コーチにしてもね。選手たちにも新鮮さがあっただろうし。非常に頼もしいですね。
――アーリーワークなどハードな練習。あとはオフに選手がどう生かすか
原監督 技術もメンタルも体力面もね。そこが一つにならないとなかなか一軍のレギュラーにはなれない。(コーチ陣は)その厳しさを知っている。頑張ればうまくなる、という仕事でもないしね。しかし、頑張らなければ先は見えてこないね。
――今季を振り返ると坂本、菅野の軸が過渡期を迎えつつある印象
原監督 (今季を)戦う前は疑いとか、そういうものはなかったんですけれども。ただ、結果として来季、未来を予想するという部分においては、同じではない厳しい状態で彼らを見ざるを得ない。果たして中心選手、中心投手として去年と同じような位置づけで見ることができるのであろうかというね。
――中心選手が機能しないとチームは回らない
原監督 そうそう。中心選手というのは扇の要だから。そこがしっかりしないと扇じゃなくなるわけだから。(2人が)どういったものになるのか。しっかりと正しい目で見ておくということが必要でしょうね。
――坂本は3度の故障離脱。コンバートを考えたり、本人と話をしたりは
原監督 これから来季に向かっていく中ではないですね。ただ、(来季中に)苦肉の策で、というのはあるかもしれないね。簡単に言うと、ショートを守れない体力になった(事態が起きたら)、ということでしょ!? その中でどこを守れるのか? と言ったらそんなに甘いものでもないかもしれないし。それは分からない。
――今季中は一塁転向を打診したそうですが
原監督 それはシーズン途中のケガで苦肉の策ということで、そうなっただけでね。(今から)逃げることを考えていたんじゃ、チームなんかできませんよ。(坂本に)そこは逃げさせない。ショートで生きるしかないですよ。このチームの中では。
――坂本不在の時に広岡や中山にチャンスが巡ってきた。次を担う存在も必要では
原監督 あったねえ。(レギュラーを)取れたとは言えないよね。チャンスですよ。勇人が(本来の)勇人に戻ればいいし、去年のような勇人だったら勇人を超えるような選手が出てこないといけない。ルーキー(門脇誠内野手、22=創価大)もいる。
――いずれにせよ、これまでにない目でチェックする
原監督 勇人、智之。来季が正念場ではあると思いますよ。本当に扇の要に置いていいのか。それは2月、3月…開幕までには置くべきか、置かざるべきか(を判断する)。私の中では大事なチームをつくる上での作業ではあると思います。