【米ニューヨーク4月30日(日本時間1日)発】戦友が成功を確信するのには理由がある。メジャー移籍1年目のメッツの千賀滉大投手(30)は、ここまで5試合に先発して3勝1敗と上々のスタートを切った。最高峰の舞台でボールやマウンドの違い、長距離移動や日本時代とは比較にならないデータ野球の包囲網にさらされながら、懸命にアジャストしようともがいている。

「千賀はメジャーで大きな成功を収めるはずだ」。そう語るのは、かつて日本ハム、ソフトバンクでプレーしたパドレスのニック・マルティネス投手(32)だ。2021年までの4年間、同じパ・リーグの敵、味方として千賀を知る右腕はまず「フォークはもちろんだが、彼には速くて強い、いい真っすぐがある。そして、第3の球種(カットボール、スイーパー)がすばらしく発展している」と技術面の進歩を認めた。

 さらに「フィジカル面でも体を大きくしてやってきた。それは日本よりも試合数が多く、長距離の遠征など環境が過酷であることを念頭に入れているからだ。(3時間の)国内時差がある東海岸と西海岸を往復する移動は本当に大変。でも、彼はその準備ができている」と、現在の勢いが一過性のものではないと強調した。

 その上で、マルティネスは他の日本人選手よりも特筆している点について、次のように語った。「彼は本当に優れたマインドを持っていて、特にメンタルがすばらしい。何より彼には〝チャンピオン精神〟がある。それは、彼が日本で毎年優勝を宿命づけられたソフトバンクというチームでプレーしていたことが多分に影響していると思う。そこで培った勝負所でのメンタルの強さがある。だから、彼が多くの成功をつかみ取ると確信している理由だ」

 育成選手として入団したソフトバンクで支配下契約をつかみ取り、4度のリーグ優勝、6度の日本一に貢献。エースとして「日本シリーズ」では4年連続開幕投手を務め、4年連続で日本一に導くなど修羅場をくぐり抜けてきた経験は圧倒的だ。

 昨季101勝を挙げ、今季も大型補強で悲願のワールドシリーズ制覇を狙うメッツに加入した千賀。マルティネスは名門でプレーする重責を十分に理解した上で、千賀のアイデンティティでもある「常勝の魂」がメジャーでの成功を力強く後押しすると確信している。

 最後に「彼はいいスタートを切ったし、新人王レースにも勝てると思っているよ」とエールを送ったマルティネス。明るい展望とともに、元同僚の成功を心から願った。