【柏原純一「烈眼」】就任2年目の新庄監督率いる日本ハムで、確かな成長を感じさせているのが5年目の大砲・万波中正だ。9日までのオリックス3連戦では、全試合で打点を挙げた。昨年は14本塁打ながら打率2割3厘、112三振。タイミングが合えば目の覚めるような打球を飛ばす一方、確率が低かった。それが今季は、打席での対応力が着実に向上している。

 8日の2打席目から右中間、左中間への二塁打2本に左前打と3打席連続で快音を響かせた対応は見事なもの。初球にタイミングが合った状態でボールを見送ることができなくても、2球目以降にしっかりアジャストして放った内容のある打撃で、間違いなく打者としてレベルは一段階上がった印象だ。

 だからこそ今後の課題も指摘もしておきたい。9日の3回にオリックス・山岡の148キロ内角直球を捉え、左翼席に特大の一発を放った後の2度の打席では、山岡の外角へのスライダー攻めに苦戦して2打席連続の空振り三振。ストライクからボールになるスライダーにバットが空を切り続けた。外のスライダーに狙いを定めることは悪くない。問題は「どの当たりに目付け(予想)をしていたか」。おそらく本人はホームベースの外ギリギリを想定したのだろうが、追い込まれるまで、その必要はない。

 相手の立場で考えれば分かりやすい。前の打席で内角直球を痛打された以上、次は外角の変化球中心の配球になるもの。くさいところをついて凡打や空振りを誘うのが狙いで、本塁打後の万波はこれにまんまとハマってしまった。

 これは考え方ひとつですぐ修正が効く。スライダーを狙うにも、外ギリギリではなく追い込まれるまで狙いは、ボール2個分ぐらいベース中央よりの内側でいい。要は、甘くきた球だけを打てば十分ということだ。早いカウントでこの誘い球を見送ることができるようになれば、結果的に相手バッテリーはストライクゾーンで勝負せざるを得なくなる。あとはホームベースのギリギリより、はるかにコンタクトしやすい球をきっちり仕留めればいい。

 まだ7試合しか消化していないが、打率3割1分8厘、4打点と理想的なスタートは切れた。あとはこれを持続するための打席での「駆け引き」を覚えてほしい。

(野球評論家)