【赤坂英一 赤ペン!!】「楽しみなのは山下舜平大(しゅんぺいた)です。彼が先発ローテに入れば、投手陣も厚みを増してくるでしょう」

 小欄では、毎年2月のキャンプ中、オリックス・入来祐作投手コーチに「今年出てきそうな期待の若手」を聞いている。昨年は、育成選手の宇田川優希と予言し的中。今年は2年連続で名前を挙げた山下が3月31日、開幕投手に抜てきされた。

 山下は20年ドラフト1位で指名され、福岡大大濠高からプロ入りして3年目の20歳。昨年までは一軍未登板で、いきなり初登板で開幕投手となった。

 デビュー戦で開幕投手を務めたのは、球団では1954年に新人だった梶本隆夫以来で実に69年ぶり。山下は勝ち星こそ逃したものの、5回1/3で4安打1失点7奪三振と好投。チームも延長戦で逆転勝ちし、入来コーチの期待通り、先発ローテ入りをほぼ確実にした。

 球種は開幕戦で最速157キロをマークした真っすぐ、カーブ、フォークの3種類のみ。それでも先発が務まる適性について、入来コーチはこう説明してくれた。

「短いイニングを任されて、その中で勝負するリリーフは1球1球に精度を求められる。それに比べて、先発の仕事は長いイニングでゲームメークすること。5~6回ぐらいをトータルで考えて投球を組み立てればいい。だから舜平大のようにハートが強く、速い球を投げるタイプが向いているんですよ」

 山下は3年前の入団当時から「球速にこだわっていきたい」と公言していた。担当スカウトの縞田拓弥氏は「将来は170キロ出す可能性もある」と、ロッテ・佐々木朗希にも張り合える逸材だと発言している。

「そういうスカウティングこそ、このチームの強みです」と入来コーチもこう強調している。

「舜平大はいい体格(190センチ、98キロ)をしているでしょう。なおかつ手足が長くて、強い球を投げられる。そういう優れた資質を持つ投手を、スカウトが次々に提供してくれる。それをまた、僕ら現場のコーチが懸命に育てている。そんな密接な連携がしっかり機能している球団なんです」

 そのスカウト部門の中心的存在は、現役時代にオリックスの守護神として活躍した編成部のアマチュアスカウトグループ長・山口和男氏、編成部副部長の牧田勝吾氏と言われている。彼らが獲得した若い力が、山下に続いて何人出てくるだろうか。