第5回WBCにキューバ代表として出場した、ジャリエル・ロドリゲス投手(26=中日)の亡命騒動が波紋を広げている。

 28日にキューバ野球連盟が同国の複数のメディアに「ロドリゲスが中日との契約を破棄した」「損害賠償13億円を要求する」との声明文を発表。ロドリゲスは現在、ドミニカ共和国に滞在中で、メジャー球団との契約を目指すと報じられている。

 キューバ共産党中央委員会の機関紙「Granma」のオスカー・サンチェス・セラ記者は、自身のコラムのなかでロドリゲスの亡命問題についても触れ「ジャリエルもキューバのアスリートも逃げる必要はありません。キューバは監獄ではありません」とした一方で「ジャリエルの決定は2018年12月に到達したMLBとの協定の米国政府による破綻の結果の1つです」とも続けた。

 2018年の協定とは、キューバ野球連盟とMLBが、キューバ選手が亡命しなくてもMLBと契約する権利を正式に認めることで合意したもの。当時、MLBのマンフレッドコミッショナーは「これまで犯罪組織によって行われるキューバからの野球選手の不正取引に終止符を打つため、MLBは努力してきた。これで次の世代のキューバ選手たちが夢を追い求めることが可能になる」とコメントしていたが、施行される前に当時のトランプ米大統領によって無効となってしまった。

 今後もメジャーでのプレーを夢見るキューバ選手たちは、国を捨てるよりほかに選択肢はないのだろうか。