【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】第5回WBCでは、日本と同じB組に入ったチェコ共和国に注目が集まった。代表選手それぞれが野球以外に本職を持つ“二刀流”。恵まれた環境ではない中、世界の舞台で野球を楽しむ姿でファンに感動を与えた。
野球が盛んではない欧州諸国。しかし、マイナー競技ではありながら野球自体はジリジリと根付いているという。そんな背景を2017年の1シーズン、セルビアリーグで助っ人外国人としてプレー経験のある竹内俊輔さん(28=現在ドラコンプロゴルファー・インストラクター)に語ってもらった。
竹内さんは鹿屋体大4年時、卒業後に海外で野球を続ける道を選択。エージェントを通じドイツ、オランダなど数か国のチームのオファーを待った。結果、セルビアの強豪「ベオグラード96」への加入が決定した。
2月に契約を済ませ3月27日に渡航。オープン戦などはないまま、4日後の4月1日にいきなり先発登板という日程で、日本人助っ人としてチームに合流した。東欧のスロベニア、スロバキア、クロアチア、セルビアからの6チームで構成されるインターリーグプールA(1部リーグ)の全20試合に出場。打者として打率3割3厘、投手として0勝4敗、防御率9・72の成績を残した。
「遠征は自分たちの運転で2台のバンに分乗して車移動。本当に大変でしたけど楽しかったです。僕は投手兼、ほぼ全部。捕手が大学の授業で欠席なら代わりに守りましたし、降板後に遊撃、三塁も守りました。レベルでいうと日本の高校野球の強豪県のベスト16あたりでしょうか。投手は140キロ出るかなくらい。守備も雑ですがパワーがあるので乱打戦が多くなるイメージですね」
MLBやNPBの野球を見慣れたわれわれには信じがたい。だが、こういった牧歌的な風情が野球の原点なのかもしれない。そういう環境から鑑みて竹内氏は「チェコ打線が佐々木朗希から安打を記録したのはすごいことだと思いますよ」と素直に驚いていた。
「住居や渡航費は用意してもらいましたが、助っ人といっても給料は月に50ユーロ(約7200円)。他にレッドソックス傘下1A出身のベネズエラ人がいましたが助っ人はその2人です。国内の選手は皆さん学生だったり、エンジニア、先生、サラリーマン。U18に入っている選手も学校に野球部がないのでクラブチームに所属しています」
次回のWBCでは、欧州からどんなチームが来日するのか。ひそかな楽しみが増えた。
☆たけうち・しゅんすけ 1994年、兵庫県明石市生まれの28歳。明石高、鹿屋体大では硬式野球部。2017年セルビアのベオグラード96に入団。18年に帰国しスポーツバースタッフを経て現在はHANA GOLF ACADEMY加古川店ヘッドコーチ。JPDA(ドラコン)プロで最長飛距離は396ヤード。












