【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】年の離れた弟を思う兄のような表情だった。宮崎・清武で行われているオリックス春季キャンプ。平野佳寿投手(38)にWBCに関する質問をぶつけると、後輩・宮城大弥投手(21)へ送ったアドバイスの内容を明かしてくれた。

 平野は2017年、第4回WBCの代表であり、MLB経験者。NPB統一球と比較すると滑りやすいローリングス社製のボールを知りつくしている。代表合流前、WBCボールを操ることに苦戦していた宮城に授けた助言はこうだ。

「WBCボールに固執しすぎて、もともと持っている自分のフォームを崩すと意味がない。例えばNPB球を投げた軌道より、WBC球だと少しシュート回転してしまうとしましょう。宮城は器用なので自分の投げ方を変えてでも修正できるタイプ。ただ、それは避けて、そういう動きをするんだと割り切って受け入れればいい。その特性を生かして打者を抑えられればそれでいいわけで。現状の自分を変えてまでボールに合わせようとしないでという話はしましたね。山本、宇田川は操れていたので特に何も言ってません」

 地に足のついた現実的な意見。この助言は宮城の胸に刺さったに違いない。

 宮城はWBC日本代表メンバーとして宮崎での侍ジャパン強化合宿に参加中。20日にはダルビッシュ有投手と休日返上練習し、その後は投手陣全員で「宇田川さんを囲む会」に参加するなどチームになじんでいる。

 21日には実戦形式のライブBPに登板。中村、山川、山田、中野と対戦し20球を投じ安打性2本と安定した内容で首脳陣にアピールした。3月の本番へ向け順調な調整を行っている模様だ。

 一方の平野は3月31日の開幕戦へ向け調整中。

「WBCは野球人なら誰もが目指すところ。僕も17年に選んでもらって光栄でしたし野球人生の財産です。でも、帰国したら大事なNPBのシーズンもある。だから大会期間中も時間のある時は日本のボールも触っておいた方がいいとも、宮城には伝えました」

 平野自身、WBC後の17年シーズンは3勝29セーブ。成績を落とすことはなかった。目指すはあくまでパ・リーグ3連覇。ベテランの言葉には説得力があった。