一番変わったのは指揮官なのかもしれない。阪神は27日で沖縄・宜野座でおこなっていたキャンプを打ち上げた。15年ぶりの復帰で何かと話題を振りまいた岡田彰布監督(65)は「疲れたわ。でも、実戦始まってからは早かったな」と18年ぶりの〝アレ〟に向け、ナインの動きに目を光らせた日々を振り返り「ずっと80点(がキャンプでの満点)って言ってたから。最後に故障者が出たとこもあったんで70点」とキャンプを総括した。
首脳陣と選手との距離感も近かった矢野前監督時代と変わったのが、練習中の雰囲気だ。「守りの野球」を掲げ、チームプレーに割く時間も増えた今春は、視察に来た多くの他球団関係者が虎の野球スタイルの変貌を感じ取った。球界きっての知将と呼ばれるだけに、この変化はある意味では必然だろう。
一方で身内から懸念されていたのが、あらゆる意思疎通で〝あ・うんの呼吸〟を好む指揮官の思考に周囲がついていけなくなる場面だった。現場の最高責任者として上意下達には厳しいとされたのが岡田流。実際、前回の阪神、オリックスと2度の監督時代は、その思考についていけなかったスタッフは容赦なく「交代」を命じられていた。
そんなこともあり、キャンプ前は選手以上に身構えていたのが、コーチ陣やスタッフたち。だがフタを開けてみれば、むしろ距離が縮まる場面が何度もあったという。
最たる例は気心の知れたスタッフを〝ちゃん付け〟で呼ぶようになったこと。例えば指揮官を最も近くで支える藤原通監督付広報は「トオルちゃん」。ベンチ裏で用事を思い出したときは「トオルちゃん! トオルちゃん!」と手招き。他にも〝ちゃん付け〟で呼ぶスタッフが複数おり、前回は名字で呼ばれるのが当たり前だった人も目を丸くした。
前監督時代を知る面々は、指揮官の変化についてこう推察する。
「監督も年をとられたということでしょう。家に帰ればお孫さんもいて、どこにでもいる普通の65歳のおじいちゃんなんだなと。前回(オリックス監督退任)から、これまでで最も長く現場からも離れて、外の世界を見る時間が長かったこともあるかなと思います」
もちろん、これは2月終了時点での話。公式戦に入れば勝負師として、より現場を見る目は厳しくなるはずだ。しかし新指揮官が想像以上に「癒やし系」だったことで、周囲がほっこりさせられることも多く、この春でアレ(優勝)に向けた家臣たちとの絆は確実に深まった模様だ。












