新日本プロレスのミスターこと永田裕志(54)が、今後の野望を激白した。19日の全日本プロレス後楽園大会で、3冠ヘビー級王者の宮原健斗(33)を破り王座奪取に成功。新日本、全日本、ノアで3団体のシングルタイトル全てを手にする史上初の偉業を達成した。進化が止まらぬミスターをさらに刺激したのは、21日に引退した武藤敬司(60)だ。他団体所属でありながら、王道マットを潤す存在を目指すという。

 3冠王者に輝いたことで、永田は史上5人目となる新日本、全日本、ノア3団体のシングル王座を巻く「グランドスラム」を達成。その中でも3団体のシングルリーグ戦全てで優勝経験がある唯一の人となった。日本プロレス界にその名を刻んだ永田は、歴史的な日を振り返り「あの日は俺のファンのみんなもたくさん来てくれたし、プロレスを日ごろ見ない個人的な付き合いの人たちも応援に来てくれた。へっへへ」と笑顔で語った。

 前人未到の偉業を成し遂げながらも、歩みを止めるつもりはない。新たな目標を示してくれたのは21日に東京ドームで引退興行を行った武藤だ。平日に3万人もの観客が集まったことに言及。「さすが武藤さん。ノアにすごい経済効果を与えて、去っていったのは、かっこいいよね」と感嘆した。

スイーツをたしなむ永田裕志
スイーツをたしなむ永田裕志

 永田にとって武藤は自身のファイトスタイルの軸になる存在だった。2001年の「G1」で初優勝を果たした時の決勝の相手は、当時3冠王者だった武藤。「俺と戦った時は序盤のレスリングに、視線を思いっ切りくぎ付けにさせる試合をやった」。武藤は新日本で育ちスターになりながら枠にとらわれず他団体に飛び出して、より輝いた。新日本所属ながら、全日本で存在感を発揮する今の永田にとってこれ以上ない手本だ。

「この前の3冠王座戦は超満員にしてお客さんが来てくれることを証明できたし、俺も全日本に経済効果をもたらすよ。精鋭を叩きのめしつつ、最高な試合を見せつけて、さらに集客させて、全日本は俺の力で豊かにしていきます」とノアでの武藤のように、王道マットを潤す存在を目指すという。そのためにも「選手の良さを引き出して、盛り上げていきたい」と若手育成にも積極的に乗り出す構えだ。

 まずは全日本3月21日の東京・大田区大会で石川修司(47)の挑戦を受ける初防衛戦に全力を尽くす。「オレみたいに緻密にウイークポイントを狙ってくる人間に、どう耐えられるかな」とすでにシミュレーション済みで、勝利のあかつきには「来るものは拒まずに『お前は顔じゃない』とか宮原みたいなこと言わないで、広い心で全てを受け止めてやる」と誰の挑戦でも受ける構えだ。

 さらには10年1月の東京ドーム大会で敗戦を喫した際、罰ゲームとして始まった「銅像シリーズ」を7年ぶりに再開することも示唆。「全日本のためなら何でもやりますよ」と意気込んだ。王道マットの活性化に尽力するミスターの23年は、一層華やかなものになりそうだ。