陸上男子100メートル前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)が、国内のライバルたちに思わぬ効果をもたらしている。

 今年7月の世界選手権(米オレゴン州)で7位入賞。決勝進出は同大会で日本人初、国際大会では1932年ロサンゼルス五輪の〝暁の超特急〟吉岡隆徳以来90年ぶりの快挙となった。

 サニブラウン本人は結果に満足していないが、一方ではこんな声も。陸上関係者は同選手権代表の坂井隆一郎(大阪ガス)ら期待の若手スプリンターの名を挙げながら「自分もうまくいけば、そういう(決勝への)道が開けると思っている選手はいるのでは」と指摘。同じ日本人のライバルが頂上レースで世界トップとしのぎを削ったことで〝自分もやれる〟とモチベーションが上がるというわけだ。

 実際に坂井は、15日の日本陸連アスレティックス・アワードで新人賞を受賞した際に「サニブラウン選手の決勝進出は刺激になった。根拠があるわけではないけど、手応えを感じた」と自信を深めている。2024年パリ五輪に向けて、短距離界の代表争いはさらにヒートアップしそうだ。