陸上男子100メートル前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)が、チームメートから〝飛躍のヒント〟をつかんだ。

 今年7月の世界選手権(米オレゴン州)で日本勢初の決勝進出を決めて7位入賞。日本陸上界の歴史に新たな1ページを刻み、多くのファンが快挙を祝福した。ただ、サニブラウン本人は「達成感があったのは一瞬。やっぱり決勝に出ただけで(メダルには)近いようでものすごく遠い感覚だった。出し切ったので一番悔しかったですね」と振り返る。

 自己ベストは9秒97。同選手権では予選で9秒98をマークしたが、〝本当の壁〟はまだ先にあるとみている。「メダルラインが9秒8台で、本当にそこを切らないとメダル取れないし、金となるとまたさらに上げないといけない。そういうタイムを3本目の決勝で疲労がたまっている中、100%以上のパフォーマンスをしないといけない」

 同レースで銀メダルのブレーシー、銅メダルのブロメル(ともに米国)とは普段から一緒に練習する間柄。「メダルを取っている人は日ごろからどういうことをやっているか間近で見ているので、こういう人が勝つんだなと感じた」と、大舞台を経験して学んだことがあるという。

 では、サニブラウンの課題とは何なのか。「(ブレーシー、ブロメルは)日ごろの私生活もそうですし練習に取り組む姿勢、スポーツに対する執念というか、プロスポーツとしてやっていて陸上競技が人生のような感じの選手たち。自分も一プロ選手としてやっていて日々学ぶことが多いですけど、一番参考になるとしたら結果に対するハングリーさが一番足りないのかな」

 国内では圧倒的な強さを見せつける一方で、世界との差を改めて実感した様子。それでも来年の世界選手権(ブダペスト)、24年パリ五輪、25年には自国開催の世界選手権(東京)と国際大会は続く。

 17日は都内のプーマ本社で凱旋報告会を行い「さらなる結果を出すために1大会、1大会、競技者としてステップアップして、メダルラインや金メダル、世界記録に向けて頑張りたい」と決意を新たにした。