陸上男子100メートルで前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)に〝王道路線〟のススメだ。
7月の世界選手権は日本勢として初の決勝レースに臨み、7位入賞を果たした。国際大会のファイナル進出は、1932年ロサンゼルス五輪の〝暁の超特急〟吉岡隆徳以来90年ぶり。昨年はヘルニアの症状に悩まされ、東京五輪200メートルで予選敗退に終わっただけに、日本のエース復活を印象付ける大会にもなった。
今季は自らの体と向き合い、100メートルに絞って調整。日本選手権後には「多分、ほとんど200に出ない。今年は100メートルに集中したい」と話していた。ただ、来季以降は2024年パリ五輪に向けて再び両種目で世界を見据えている。その場合、今と同様のパフォーマンスを発揮することは可能なのか。
100メートル元日本記録保持者で甲南大教授の伊東浩司氏は「(100メートルと200メートルを走ることで)相乗効果はあると思う。100だけやるよりもトレーニングの幅が広がるし、とてもいいこと」と指摘。また、サニブラウンは17年世界選手権200メートルで決勝進出を果たしていることから「もともと200はしっかり走れる。あとは19秒台で安定して走れるようになれば、100も今より数段いいタイムになるはず」と期待を寄せた。
日本陸連は東京五輪の400メートルリレーで金メダル獲得を目指し、選手の負担軽減のため〝原則1種目〟の戦略を掲げた。パリ五輪もこれを踏襲するとは限らないが、伊東氏は「彼(サニブラウン)の性格や米国でコーチングを受けている以上、どちらかに絞るのはまずありえない。陸連も彼を生かす戦略に切り替えていくと思うし、彼にふたをするような戦略は世の中も納得しないでしょう」と言い切った。
「世界のレジェンドやスターと呼ばれるスプリンターは100、200を走ってリレーにも登場する。彼にはそういう王道を歩んでほしい。何かを絞るのは年齢がきた時に考えればいい」(伊東氏)。サニブラウンの完全復活が今から楽しみだ。












