出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させることを目的とした「現役ドラフト」が9日実施され、計12選手の移籍が決まった。各球団が2人以上をリスト提出し、最低でも1人を獲得する新システム。球界初の試みを巡っては、現場の選手たちから意外な声も聞こえてきた。

 記念すべき第1回開催を前に、ある若手選手はこう漏らしていた。「正直、どういう気持ちで(現役ドラフトで)選ばれた選手を送り出せばいいのか分からないんですよ。もちろん自分が選ばれる可能性だってあるわけだし、そうなったら逆にどういう気持ちで移籍すればいいのかと…」

 現役ドラフトの大まかな目的は、在籍球団でくすぶっている選手たちに新天地へ移籍する機会を与えることで、いわば「飼い殺し」のような状態を解消すること。他球団からの「指名」によって活路が見いだされる点は通常のトレードと変わりはないが、この点に前出選手は複雑な心境を抱いた。

「本当に需要がある選手は普通のトレードで獲得されるでしょうし、裏を返せばその駒になり得る選手は放出されないじゃないですか。悪く言えば『いかんともしがたい選手たち』が今回の対象になるわけで、いざ移籍が決まった時に『向こうから必要とされたんだから頑張って来いよ!』と、普段のトレードの時のように明るく送り出すことは心情的に難しい気がして…」

 なかなか芽の出なかった選手たちが新天地で花開く――。理想はありながらも、当事者である選手たちの心情は悲喜こもごもとなっているようだ。