中日・阿部寿樹内野手(32)と楽天・涌井秀章投手(36)の交換トレードが15日に成立したが、中日内外で阿部の放出を巡って賛否が分かれている。

 立浪監督就任1年目の今季は6年ぶりの最下位に沈んだが、最大の要因は12球団ワーストの414得点、62本塁打と深刻な得点力不足であることは明らか。そんな中で133試合に出場して打率2割7分をマークし、9本塁打、57打点といずれもビシエドに次ぐチーム2位の成績を誇った阿部のトレード放出に対し、中日OBは「驚いた。ただでさえ貧打が深刻なのに、頼りになる阿部は出すべき選手じゃなかった。正直、これは理解できない。来季の中日にとってかなり痛手となるのでは」と危惧する。

 チーム関係者も「二塁のポジションを若手に切り替えるにしても、未知数な部分がありすぎる。マスター(阿部の愛称)のようなベテランの存在は不可欠。今回のトレードは明らかにウチの損になりそう」と漏らす。

 今年のドラフトで内野手4人を指名するなど、若返りを進めている立浪竜。加藤球団代表は「ウチも若い選手を使っていくという方針もあって、楽天に行った方が彼の実力を発揮できるという判断をした。これは苦渋の決断」と明かした。

 一方で、別のOBは「最下位からチームを生まれ変わらせようとしたら、これぐらい思い切ったことをしないとダメ。阿部を出すなんてバクチみたいなことは、立浪監督でなければ決断できなかったこと。今年は岡林、土田、鵜飼らが成長しているし、来年の二塁は新人4選手も加わって誰がレギュラーを勝ち取るのか楽しみ」と話す。

 さらに別のチーム関係者は「立浪監督は来季も阿部を二塁で起用するつもりはなく、三塁で(高橋)周平と石川(昂)と競わせるつもりだった。確かにリハビリ中の石川が実戦復帰するまで不安はあるが、復帰後を考えれば阿部のトレードは致し方ないかも。実際、今季先発が足りなくて困ったわけだし、実績、存在感とも抜群の涌井の加入は心強いよ」と指摘する。

 果たして来季どのような結果となるか…。