体は休めてもそりゃ、見てるよ――。阪神は31日に秋季練習を打ち上げた。28日からは昼食を挟み、午前・午後の2部練習も実施。岡田彰布新監督(64)は「俺もこんなに甲子園で練習したことあんまりないからな。やっぱり、雰囲気がちゃうよな。『練習場』やないから、ここは。『試合場』やからな」と独特の言い回しで、秋季キャンプへむけた〝助走期間〟を振り返った。
一方で15年ぶりの現場復帰は、チームへの並外れた愛情がなければできることではないのも確かだ。先日、在阪のテレビ局に生出演した際には、64歳と球界の指揮官としては決して若くはない年齢で日々の指導にあたる激務に触れ「そりゃ疲れてますよ。ずっと立っているとふくらはぎが張る」と、連日の3時間を超える練習中には時折、球場のフェンスに腰かける時間を作っている。
ただし、体は休めても目は光らせたままなのが〝岡田流〟だ。秋季練習中、自らの体に休息を与える地点は、一塁、三塁側とどちらの場合でも決まって、ベンチの本塁寄り。ホーム・ビジターの監督がベンチに腰をかけて試合の戦況を見守る位置とほぼ同じなのだ。
チーム関係者も「ユニホーム生活から10年以上のブランクがあれば50代でも慣れるまでは、ずっとグラウンドに立ち続けているのは結構、キツイ」としながらも「でも…絶対、見てるよ」。特にフリー打撃中に多いこの観察スタイルは、まさに岡田流の定点観測でもありそう。現状の体力を把握しつつ、座りながらでも「選手の変化を見逃さないようにできるスポット」は、イコール「実際の試合で戦況を見守る場所」。64歳の知将は静かに来季へ向けた戦のプランを練り始めている。












