新日本プロレスのKOPW保持者・鷹木信悟(39)が、1日に心不全のため79歳で亡くなった団体創始者・アントニオ猪木さんへの思いを明かした。

 鷹木は10日両国大会でエル・ファンタズモと「フー・イズ・ユア・ダディマッチ」で争奪戦を行う。これは敗者が勝者に「あなたがダディです」と屈辱的な敗北宣言を繰り出さなければならない特別ルールだ。

 これまでやたらと「ダディ」の座を主張してきたファンタズモに対し「郷ひろみじゃあるまいし、ダディダディうるせえんだ。敗者に対する勝者の裁きを下してやる。ただで終わると思うなよ」と予告。KOPWは年末時点の保持者がタイトルを手中にするため「もちろん年間守り切りたいし、ファンタズモ以外にケンカ売ってくるヤツもいないしね。両国で勝ったあかつきにはニューヨークに持って行こうと思ってる」と、参戦が決定済みの10月27日(日本時間28日)米国・ニューヨーク大会へのトロフィー輸出も示唆した。

 また両国大会では猪木さんの追悼セレモニーも行われる。鷹木は「高校生の時に柔道部で関東大会に出る前に『闘魂』と刻んだ横断幕を作ったこともあった。当時からプロレスラーを目指していたし、もちろんアントニオ猪木さんという存在には大きな影響を受けているよね」と故人をしのんだ。

 猪木さんとの直接的なかかわりはなかったが、一つだけ心残りなことがある。IWGP世界ヘビー級王座を保持していた昨年10月、G1クライマックス覇者のオカダ・カズチカが挑戦権利証代わりに封印されていた4代目IWGPヘビー級ベルトを復活させ〝ベルト論争〟が勃発。業を煮やした鷹木は「4代目のベルトをこうやってまた持ち出されたりしたら困るんで、IWGPの提唱者にお返しするってのがいいんじゃないか」と猪木さんにIWGPヘビー級王座を返還するプランを明かしていた。

「安易に名前を出したくなかったから、当時は猪木さんの名前はあえて伏せたけどね。もちろんいつかお会いしたいと思っていたし、『知らねえよ』と言われたかもしれないけど(1月4日)東京ドームでオカダに勝っていたら会社に直談判するつもりだった。ごあいさつができるタイミングがなかったのは、無念ではある」。結果的に対面することはかなわなかったが、猪木さんの「プロレスは戦いである」という思想と、世間と戦い続けた功績には常に敬意を抱いている。

 鷹木は「俺の場合は(アニマル)浜口さん経由かもしれないけど『プロレスは闘いでありレスラーは強くてすごくなければならない』という思いは、レスラーであれば誰もが引き継いでいるものだと思うよね。俺も18年貫いてきたつもりだし、これからもその意志は変わらない」と、両国決戦を前に決意を新たにしていた。