ドラゴンゲートの土井成樹(41)が、専属フリー契約になると23日に発表した。団体創成期からトップの一角として支え続けてきたベテランが新たな挑戦に打って出る格好だが、今年に入り引退・退団者が続出しているのは事実。いったい、団体内で何が起きているのか? 斎藤了GM(43)を直撃した。
土井は23日の神戸サンボーホール大会で6人タッグ戦に出場。試合後に「自分自身のキャリアと向き合って、さらなる可能性を試したい。さらに視野を広げたいということで、今日まで会社と協議してきました」とし、23日を最後にフリーに転向すると発表した。
「わがままを会社に聞いていただいて感謝してます。外を見てみたいのもありますし、どれだけ今の土井成樹というレスラーが通用するのか。人生は一度きりなのでチャレンジもまだまだできるぞっていうのを見せたい」
団体最高峰のドリームゲート王座を2度獲得するなど、長年にわたり団体を支えた功労者が、新たな門出を迎えることになる。ただし、ドラゴンゲートには引き続き定期参戦し、フリー初戦も11月6日のエディオンアリーナ大阪大会に決定。団体との関係は良好で、円満な話し合いで新たな契約形態が決まったという。
今年に入ってからのドラゲーは、Gamma、K―ness.、飯橋理貴、佐藤翔也が引退。石田凱士、スペル・シーサーが退団と離脱者が続いている。
本紙の取材に応じた斎藤GMは「土井に関して言えば、スムーズな話し合いをしてきてこういう発表になっているので、全然ネガティブな話ではないです。ただ、昔からのメンバーもいる中で、世代交代も進めて会社がこれから5年、10年続いていく中では去っていく人間も出てくる。そこだけをクローズアップされるのは心外ですし、それが過渡期と言われたら、そうなのかもしれません」と現状を説明した。
コロナ禍などの影響もあり、かつて業界屈指の集客力を誇ったドラゴンゲートも苦境が続いている。斎藤GMは「選手の意思はもちろん尊重してますし、何でもかんでも契約で縛るのではなく、本人の希望があれば見直すという柔軟な対応もしてます。若い世代も伸びてきているので、純粋にドラゴンゲートを楽しんでほしいですし、ファンの方には心配ごとと思わないでほしいですね」と語り、再建へ強い決意を示した。1999年に旗揚げした団体が大きな過渡期を迎えている。