残り14試合とシーズンのラストスパートに入る阪神では、投手陣に大きな〝モチベーション〟が浮上中だ。8日現在、チーム防御率は2・58。リーグ〝ダントツ〟のこの数字は、球団史にも残る歴史的高水準の数字でもある。

 浮き沈みの激しいシーズンも、投手陣は年間を通じ安定。12勝でリーグ最多勝の青柳、西勇の2本柱に加え、両リーグトップ6完投の左腕・伊藤将や、助っ人・ガンケルと昨季以前から屋台骨を支える面々に、今季は西純や才木など期待の若手も台頭。さらには復活を期す藤浪や、高卒ドラ1の森木も一軍デビューするなど、年次もタイプも豊富な顔ぶれ。中継ぎ陣も岩崎優、岩貞、湯浅、浜地の4人が40試合以上、アルカンタラ、加治屋、渡辺が30試合以上と多くの人材が安定して稼働。後半戦は春先不調の助っ人・ケラーも復調しクローザーに返り咲き、他球団もうらやむ層の厚い投手陣を形成している。

 そんな多くの人材の奮闘があったからだろう。現在のチーム防御率は、2001年以降では過去最高で12年の2・64を上回り、今世紀最高を塗り替えようとしている。

 その当時を肌身で知るのが、福原一軍投手コーチ。この年はセットアッパーとして、60試合に登板し、防御率1・76、18ホールドと投手陣の中心的存在。通算243セーブの球団史に残る名クローザー・藤川球児氏も守護神として健在だった。

「その年は先発もしっかりしていた。能見、メッセンジャー、スタンリッジ、岩田…。脂の乗った投手が多かった。当時もそうだったかもしれませんが、練習から本当にみんなが、意識高く取り組んでいたのを覚えていますね。やっぱり準備とか意識のレベルアップがそういう結果につながっているんじゃないですか」と振り返る。

 当時と現投手陣を比較し、同コーチは「今のほうが若く力のあるボールを投げる子が多い。先発なら西純や才木、中継ぎなら浜地とか。そういう成長過程にある投手たちが、シーズン中にどんどん出てきて、結果を残してくれている」と、全体の年齢層がさらに広がっているのが、12年を超える要素と指摘する。

「全体的なレベルは、当時よりも高いと思いますよ」と〝記録更新〟を期待する一人だ。〝今世紀最高〟の称号を得るべく、今年の虎投は最後まで高いモチベーションで、腕を振る日々が続く。