圧巻の投球だ。ソフトバンクの石川柊太投手(30)が3日の西武戦(ベルーナ)で1安打完封勝ち。チームは3―0で快勝した。続々と主力選手やスタッフが離脱する新型コロナ禍で試合中止にまで追い込まれたが、これで活動再開後は2連勝だ。

 石川は7回に先頭の森に左前打を許すまでノーヒット。三塁を踏ませることなく、118球で投げ抜き「いろいろとチーム状況が大変な中でスクランブルな感じの登板だったんですけど、しっかり勝ちに結びつく投球ができてホッとしています」と笑みを浮かべた。

 石川流の〝リフレーミング(発想転換)術〟で逆境を乗り切った。チームを襲った新型コロナ禍の影響から登板日が二転三転した今回もそう。当初は1日に先発予定だったが、杉山が濃厚接触者となったため6月29日のロッテ戦(ペイペイ)に前倒し。そのロッテ戦が中止になったことで再び1日に戻った。今度は1日が中止となり、この日にずれ込んだ。そのため、最終のブルペン入りは6日前だった。

 そんな中で「自分的には、こういう時こそチャンスだというつもりで投げた」。登板日の変更にも「中6日で投げなくてはいけない自分を、いい意味でつくらない。柔軟に対応していくところに価値がある。昔、何でも屋をやってた時もそういう心持ちだった」と切り替えた。

 正捕手の甲斐が陽性となって離脱したことで海野と初コンビを組んだ。一軍の先発時に過去一度もなかった甲斐以外とのバッテリーも「二軍に投げに行ったりした時に捕手が変わって発見があったり、新鮮な気持ちになる。いいキッカケになればいいと思うし、次につながるような試合にしたい」と、むしろ楽しみにして臨んだ。

 リリーフ陣のフル稼働も考えていた藤本監督は「ありがたいですね。明日試合がないので、全員投げられるというところだったんですけど。こんな投球をされたら投げるところがなかった」と、うれしい誤算に笑みが漏れた。チームの窮地に投打がかみ合い、鷹が首位の座をガッチリとキープした。