敗戦の中で、若き変則左腕が〝珍記録〟達成だ。巨人・大江竜聖投手(21)が28日の中日戦(東京ドーム)の3番手で登板し、わずか1球で1奪三振をマークした。

 出番が回ってきたのは7回に3―5と勝ち越しを許し、なおも二死一、三塁の場面。この回から登板した鍵谷が制球に苦しんで2点を勝ち越され、代打・井領との対戦でも6球粘られ、強烈な弾道のファウルも打たれる危うい展開に…。ここで大江は原監督から出番を託された。カウント2―2というイレギュラーな局面からだったが、投じた初球のスライダーを外角低めへきっちりと決め、空振り三振に仕留めてみせた。

 試合は先発・田口、鍵谷の計10四死球の乱調が暗い影を落として逆転負け。原監督はカウント途中で大江を投入したことに「そういうふうにしたというところですね」と多くを語らなかったが、1球で火消しに成功し、涼しい表情で後続のリリーフ陣につないだ左腕の成長ぶりが垣間見えるワンシーンだった。