巡回投手コーチに就任した小谷正勝氏(71=前ロッテ二軍投手コーチ)に本紙が単独直撃。あまたの名投手を育てあげた名伯楽の6年ぶり復帰に、現場から“今オフ最大の補強”との声も上がる中、再び巨人のユニホームに袖を通した老コーチが明かしたのは、愛弟子たちへの熱い思いと、衰えない指導の情熱だった。
――まずは巨人復帰を決断した経緯を聞かせてください
小谷コーチ:話自体は去年からあったんだよ。でも、(巨人から打診されたのは)ロッテにもう1年残ることが決まった半日遅れのことでね。ロッテを辞めた後は、“隠居”しようと思っていたんだけどね。
――コーチ業引退後は“小谷塾”を開講する計画があったとか…
小谷コーチ:そう。(囲碁棋士の)藤沢秀行のようになれたらいいなと本気で考えていたんだ。彼が多くの門下生を育てたように、ワシはボランティアで。野球以外の人生訓も学べる私塾をね。でも、これでパーになっちゃったよ(笑い)。
――そんな夢がありながら、もう一度巨人へ戻ってきた理由は?
小谷コーチ:やっぱり内海、鉄ちゃん(山口)、宮国とか、前に携わっていた選手たちがもがいているのを見るとね…。もう一度彼らが復活できたら、というのが理由の一つ。(ロッテに在籍しながらも)「あいつらは何であんなになっちゃったんだ」という思いがあったのは事実だからね。
――内海はここ数年、かつてのパフォーマンスが影を潜めている
小谷コーチ:あの程度の球で勝てたのはなぜなのかを忘れているんだよ。ないものねだりしてスピードを求めるから、力みが出て失投が増える。内海はカーブ、チェンジアップの制球と駆け引きで勝負する投手。今年は右打者の内角にチェンジアップを放って抑えた試合があって「おっ」と思ったんだけどな。次から使わないでまたボロボロ。会ったら、そのへんから聞いてみたいね。
――山口鉄も今季は苦しんだ
小谷コーチ:なんでスピードが落ちたのか。あいつの財産は、球の迫力と適度な荒れっぷり。以前の球は金本(阪神監督)だって怖がっていたよ。勤続疲労という言葉は、あいつには当てはまらない。自分の財産を再認識するところから始めて、さてどうなるか。
――宮国も以前は素質を絶賛していました
小谷コーチ:素材は最高ですよ。見栄えはいいし、なにより投手としてのセンスが抜群。けん制だって、日本で2番目にうまい。それが、いつの間にあんなになっちゃったかね…。今は大竹のようにスライダーで左右にかわす“3頭身”の投げ方。宮国は“8頭身”の投手。縦のカーブと落ち球、真っすぐで高低を使って勝負しなきゃいけない。ワシは今でも中継ぎをやる投手じゃないと思っていますよ。
――かつての教え子以外に、今回は若い投手全般を指導する役割だ
小谷コーチ:結果を出さないといかんという重圧は感じていますよ。あの3人にしたって、復活するかどうかはわからんけど、自信がないのでは引き受けられん。まあ、まずはどんなもんか見てから。コーチが助言する以上は、少しでも選手が伸びなきゃいかんというのがワシの考え。ぼちぼちやらしてもらうわ。












