ノアのGHCタッグ選手権(27日、東京・後楽園ホール)は挑戦者の中嶋勝彦(31)、潮崎豪(37)組が杉浦貴(49)、KAZMA SAKAMOTO(36)組を破り、2週間前に奪われた王座の奪還に成功した。勝利の立役者になった中嶋の原点は、前夜に引退した師匠、長州力(67)と約16年前に行ったサイパン合宿にあった――。
開始から中嶋は、49歳の鉄人・杉浦の弾丸エルボーを無数に浴びた。22分過ぎには五輪予選弾で頭から落下。それでも最後は後頭部と顔面を蹴り抜いてからのバーティカルスパイクで杉浦に逆転勝利した。試合後はGHCヘビー級王者の清宮海斗(22)、谷口周平(42)組が次期挑戦を表明。中嶋は7月27日川崎大会でのGHC王座挑戦を交換条件に受諾し、一気に2冠王へ前進した。
くしくも前夜は、プロレスへの門を開いてくれた恩人が同じ後楽園ホールでラストマッチを迎えた。2002年12月に長州からスカウトされてWJに入団し、翌年3月には10日間のサイパン合宿に石井智宏(現新日本プロレス)と同行した。当時は中学3年生。もちろん初の海外だった。
「同級生が高校受験している間、俺だけ真っ黒に日焼けしてた(笑い)。練習して食事して日焼けして、練習するだけで一日が終わる。何が何だかよく分からないままトレーニングについていくのが必死だった。間違いなく俺の原点だった」
長州から特別なアドバイスを受けた記憶もない。強烈すぎる経験で、胃液が逆流しそうな緊張感しか覚えていない。「言葉より背中を見てプロレスとは何かを感じ取っていた」と振り返る。
同年9月に中嶋は格闘技戦でプロデビューを果たすも04年3月にWJは崩壊。その後は健介オフィスに入門し、長州との接点はわずかだった。セミに出場した引退興行では、約15年ぶりに同じマットを踏んだ。
「時間がたてば、流れなかったものも流されることが分かった。長州さんは最後まで自分を貫いて引退した。俺は俺のプロレスを貫いて新しい時代を築く。それこそが継承につながると思う。今日の王座奪取はリスタートにすぎない。川崎でもうひと皮むけるぜ」。潮崎とのAXIZでは今回が3度目の戴冠。身も心も新たに再出発する。












