巨人の新監督を巡る動きが混沌としている。原辰徳監督(57)の辞意表明から一夜明けた18日、各メディアは一斉に後任候補の名前を報じた。ただし、監督決定権は読売トップの手中にあり、幹部らは今も沈黙を守っている。選考作業は異例の長期化も予想されるなか、やはり無視できないのは、10年に及んだ長期政権で輝かしい功績を残した“前監督”の意向だろう。栄光の88番が真に望む“王道継承者”とは――。
無念のCS敗退後に辞意を表明した原監督は、19日に読売新聞東京本社を訪問して渡辺球団最高顧問、白石オーナーら最高幹部と会談を持ち、辞任の申し出が了承された。
原監督の正式な退任決定を受け、後任監督の選定作業が本格化。読売関係者の話を総合すると、現時点では今季打撃コーチを兼任した高橋由伸、川相昌弘ヘッドコーチの2人が“ポスト原候補”として有力視されている。
そんななか、一部で“候補”と報じられた江川卓氏がこの日、都内で報道陣に対応した。困惑顔の同氏は「(巨人から)連絡はきていませんし、原さん(の正式退任)が決まっていないのにコメントするのはおかしいでしょう。いつも言っているけど、ないので。そういう連絡はないし、これからもないでしょう。新聞に書かれることはありがたいですけど、そういうことはないです」と“ない”というセリフを何度も繰り返し、現時点でのオファーを否定した。
江川氏に関しては、所属の日本テレビ上層部も「これまでも、本人から、そういう話はまったく聞いていない。氏家会長亡き後は、読売グループ内での発言権もなくなっている。話がくれば快く送り出すが、会社として推しているという事実はない」と話している。
ただし、火のないところに煙は立たない。では、江川氏を推しているのはいったい誰か。球界内ではその人物こそ、退任する原監督本人なのではないかとささやかれている。
「原監督も今季V逸なら進退問題に発展することは、早い段階から理解していたでしょう。一方で、チームが過渡期にあることも痛感していた。今後数年間は苦戦を強いられるかもしれない。そうなると、経営サイドは“つなぎ候補”を探すだろうと踏んでいたのでは。その路線なら、託せるのは気心知れた先輩の江川さんしかいないと考えるのは自然な流れです」(読売関係者)
だがここ数日の間で、経営サイドが“つなぎ監督”に固執していないことを察知したのか、原監督の心境に変化が見られるとの指摘もある。
「辞意表明直後の会見で『次の世代に――』という言葉が出たことには驚きました。素直に受け取れば、若い人物へのバトンタッチを望んでいるということでしょう。そうなると、思い浮かぶのは由伸以外にいません。彼への“禅譲プラン”はもともと監督自身が周囲に公言していたことですからね」(原監督に近い関係者)
巨人は前監督の退任と新監督の就任を同時に発表するなど、これまで監督不在期間がないのが伝統だったが、後任選考には時間を要するとみられ、巨人では異例の“監督空位期間”が生まれることはほぼ確実だ。
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