第97回選抜高校野球大会第7日(24日)第1試合が甲子園球場で行われ、昨秋の明治神宮大会を制した優勝候補の横浜(神奈川)が沖縄尚学を8―7で破り、13年ぶりの8強入りを決めた。ヒーローとなったのはプロ注目の阿部葉太外野手(3年)で、大会3号を含む2安打4打点の大暴れ。主将としてもチームを力強くけん引しているが、横浜ナインの間では数々の伝説が語られている。

 昨秋の神奈川大会初戦から公式戦は17連勝。新チーム結成後、無敗を誇る横浜だが、チームの大黒柱が阿部だ。主に1番を任されてきたが、この日は「3番・中堅」で先発出場し、初回無死一、三塁の好機で右中間へ豪快な先制3ランを叩き込むと、3回にも左適時打を放つなど躍動。「どんな場面でも打たせると前日、監督さんに言われたので、自分が決めるという気持ちだった。チームに流れを呼び込めたと思うので、すごく良かった」と笑顔で振り返った。

 言葉より背中で引っ張るタイプの阿部は、ナインからの信頼も厚い。それでもオンオフの切り替えは抜群のようで、選手の間では「グラウンド外では面白いことを言ったりやったりして、みんな盛り上がっている」という。

 19日の初戦で市和歌山に勝利した翌20日、宿舎の食事会場では〝事件〟も勃発。大皿6人分のグラタンを前にした阿部は「これ、俺が全部食べるわ!」との宣言通りにペロリと平らげてドヤ顔を決め込んだ。自身の分も食べられてしまった今村(3年)は「まさか本当に全部食べられるとは思わなかった。その後、ご飯を2杯ぐらいおかわりしてたのも驚いた」と打ち明けつつ「でも、今日は6人分の活躍をしてくれたから、全然いいです」とニヤリと笑った。

 野球だけでなく、他のスポーツも万能だ。体育の授業で行ったサッカー、バレーボールではキレキレのプレーを連発。ナインの一人は「サッカーでは足が速いので、オフェンスをやっても簡単にゴールを決めたり、バレーではスパイクをバンバン決めるポイントゲッターだった」と舌を巻く。

 さらに昨年12月に開催された「お笑い大会」ではエース・奥村頼(3年)とコンビを組み、保護者の前で漫才を披露。ある選手は「本格的な漫才で、みんなすごく盛り上がってました」と多彩な阿部の才能にうなっている。

 横浜の主将は、このままチームを頂点まで導けるか。