東京五輪競泳女子200メートル個人メドレー決勝(28日、東京アクアティクスセンター)、大橋悠依(25=イトマン東進)が2分8秒52で金メダルを獲得し、400メートル個人メドレーに続いて2冠を達成した。

 ラスト50メートルのターンで2番手だった大橋は自由形で激しいデッドヒートを繰り広げ、僅差で競り勝った。メダリスト会見では「ラスト15メートルぐらいまでは多分負けていて、これはちょっと厳しいかもしれないなと思いながら泳いでいた。体がきつくて浮いていて、でも隣の選手も浮いているなと思ったので、呼吸を止めて泳いでラスト3メートルぐらいでチラッと見たときに勝てるかなと思いました」と、レース最終盤の心境を明かした。

 400メートルで見せた涙もこの日はなく、笑顔で喜ぶ姿が印象的だった。これには「2冠も頭にあったけど、そんなに簡単なことではないと思っていたので油断せず自分のレースをしようと。400メートル個人メドレーには苦しんだことがたくさんあってこみ上げるものがあったけど、今日は純粋に自信もありましたし、楽しんでレースをすることができました」と説明した。

 自身のレース直前には男子200メートルバタフライで本多灯(19=アリーナつきみ野SC)が銀メダルを獲得。「それも自分にエンジンをかける出来事だった」とトビウオジャパンの追い風も味方にした。

 一方、夏季五輪で日本女子選手が2冠を達成するのは初の快挙。「競泳は個人で何種目も出られる競技なので、チャンスがあるのはありがたいなと思います。ただ、史上初という実感がないのでビックリしています」と率直な感想を語った。