大ベテランが国内で無双し続ける理由とは――。競泳の日本選手権最終日(7日、東京アクアティクスセンター)、女子50メートル平泳ぎは、五輪3大会出場の鈴木聡美(35=ミキハウス)が30秒39で大会9連覇を果たした。今大会は100、200メートル平泳ぎでも優勝しており3冠を達成した。

 鈴木は2012年ロンドン五輪で3個のメダルを獲得。大ベテランとして昨年には100メートル平泳ぎで2度も自己記録を更新し、国内では敵なしの状態が続いている。

 しかし、鈴木には常に自身にしか見えないライバルがいた。この日のレースでは、鈴木が銀メダルのロンドン五輪200メートル平泳ぎで、当時の世界新記録を樹立して優勝したレベッカ・ソニ(米国)をイメージしていたという。「隣に彼女がいると思いながら、もしくは自分がレベッカ・ソニになったつもりで泳ぐように、イメージトレーニングをしている」と明かした。

2012年のロンドン五輪で銀メダルの鈴木聡美(右)と金メダルのレベッカ・ソニ(ロイター)
2012年のロンドン五輪で銀メダルの鈴木聡美(右)と金メダルのレベッカ・ソニ(ロイター)

 そんな鈴木は9月開幕の愛知・名古屋アジア大会で、昨秋に引退した青木玲緒樹の持つ100メートル平泳ぎの日本記録更新が目標の一つだ。「実際にそばにいなくても、まだ記録は残っている」と隣で泳ぐ青木の映像を現在も思い浮かべて試合に臨むことが多いという。

 これまでの宿敵を想像することで、追う立場としてのモチベーションは不変。それが女王の強さにつながっている。