審判に対する不行跡があったとして、ラグビーのアルゼンチン代表に対する調査を国際統括団体・ワールドラグビー(WR)が始めたと欧州メディアなどが報じている。アルゼンチン代表はサッカーでもW杯決勝戦後の暴力行為が問題視され、国際サッカー連盟(FIFA)が調査を開始したと発表したばかりだ。

 問題の試合はサッカーW杯決勝に1日先立つ18日(日本時間19日午前)、アルゼンチンで開催された同国代表対イングランド代表戦。新たに始まった世界トップ12によるネーションズ選手権の南半球シリーズを締めくくる第3節の試合が各地で行われ、アルゼンチン対イングランドもその1つだった。

 後半の半ばまで17―31とリードされていたアルゼンチンが、終盤に猛追。後半40分のトライで7点差に迫り、ほとんどなくなった残り時間もボールを支配し続け、トライラインに近づく。右サイドの選手があとわずかでトライというところで、相手守備に阻まれた。

 この場面で、タックルに入ったイングランドの選手が2人とも相手の首に手をかけたように見えた。危険なプレーと判定されれば、PKで試合続行、悪質とみなされれば認定トライもあり得る状況。結局、おとがめなしで試合終了となり、同点チャンスを逃したアルゼンチン側は憤然とした様子だった。

 試合自体が、イングランドに4枚、アルゼンチンに3枚のイエローカードが出され、それぞれ13人の局面もあるなど乱戦模様。選手間の小競り合いも繰り返され、異様な雰囲気だったところに加え、地元チームに不本意なノーサイド。SNSには、ピッチを去るアンガス・ガードナー主審に物が投げられる映像が投稿されている。アルゼンチンの選手でも、SOトマス・アルボルノスら数人がガードナー氏に詰め寄り、身体が触れる画像が見られる。

イングランド選手につかみかかるアルゼンチン選手(ロイター)
イングランド選手につかみかかるアルゼンチン選手(ロイター)

 欧州メディアなどは、WRが調査を始めたと報道。ラグビーサイト「RUCK」は「WRの審判レビューやマッチコミッショナーのリポート、映像をもとに、試合直後の選手たちの振る舞いを精査するとみられる」と伝えた。英紙タイムズ電子版は、アルゼンチンの選手が処分される可能性に言及。英紙テレグラフ電子版は「WRはレフェリーへの不行跡に寛容であってはならない。アルゼンチンは処分に問われなければならない」という趣旨の元イングランド代表のコラムを掲載した。

 アルゼンチンはサッカーW杯で優勝歴があり、ラグビーもW杯で最高3位という、世界有数の両フットボール強国。シドニー・モーニング・へヘラルド紙電子版は「第2のアルゼンチンチームが試合後のもみ合いで調査対象に」と、サッカー代表によるスペイン選手への暴行を踏まえてラグビーの件を伝えた。