フィギュアスケートのチャレンジャー・シリーズ(CS)木下グループ杯最終日(6日、東京・田中貴金属アイスアリーナ)、女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の島田麻央(17=木下グループ)が152・48点、合計231・32点で逆転優勝した。今大会は個人の中立選手(AIN)としてロシア勢が出場し、フィギュア大国同士の戦いが注目の的に。今大会を現地で見守った五輪2大会連続出場の鈴木明子さん(41)が分析した。
会心の演技に、自然とガッツポーズが飛び出した。島田はシニアの国際大会でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)と4回転トーループを日本女子で初めて同時に成功させると、最後まで安定した演技を披露。ロシア勢を相手に、強烈なインパクトを残した17歳は「初戦から決められたことは自信につながる」と笑みを浮かべた。
島田のジャンプについて鈴木さんは「一番いいものを本番で出せたかなと思う。踏み切りのタイミングから空中姿勢、そしてランディングまでがしっかりとコントロールできていて、ブレがなかった」と絶賛。シニア国際大会デビューを見据えてジャンプ以外の要素も強化しており「スケートの一つひとつの伸びや、磨いてきた表現力もしっかりと得点に表れていた」と高評価を下した。
ジュニアカテゴリーの試合は無傷の39連勝で、世界ジュニア選手権とジュニアグランプリファイナルでは4連覇を達成。女王の重圧と戦ってきた経験はプラスに働いている。鈴木さんは「勝ち続けるプレッシャーから解き放たれて、のびのびと滑る姿が印象的だった。シニアで戦うことが楽しみだったのが伝わってきた」とメンタル面でも変化が生まれたようだ。
一方、今大会は結婚、出産を経て競技会に復帰した2022年北京五輪銀メダルのアレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)が参戦。優勝は島田に譲ったものの、4回転ルッツの大技を着氷させた。鈴木さんも「4回転ルッツを着氷した瞬間に、一気に鳥肌が立った」と驚くほどで「やはりロシア勢は技術も高いし、久々の国際大会でもしっかりと仕上げてきている」と警戒感を口にした。
今季のロシア勢はAINとして国際大会に参加する。脅威的な存在とはいえ、新ヒロイン候補の島田が見せたパフォーマンスは、日本勢の飛躍に向けてヒントにつながりそうだ。鈴木さんは「今大会を通して日本勢の戦い方が見えた。ロシア勢に劣っているわけではないし、これからもいい戦いが期待できるのでは」と指摘。その上で「大技だけでは勝てないので、プログラムの密度を濃く、完成度を高めていくことが必要になってくる」とポイントを挙げた。
30年フランス・アルプス五輪を目指す島田。自らの長所を貫き通し、頂への階段を駆け上がる。












