フィギュアスケート女子で2022年北京五輪銀メダルのアレクサンドラ・イグナトワ(旧姓トルソワ)は、自身の現在地を冷静に分析している。

 4年前の北京五輪はフリーで4回転ジャンプを4種5本降り切り、一躍注目を集めた。その後は結婚、出産を経て競技会に復帰。約4年ぶりの国際大会となったフィギュアスケートのチャレンジャー・シリーズ(CS)木下グループ杯最終日(6日、東京・田中貴金属アイスアリーナ)のフリーは4回転ルッツを着氷させるなど、146・14点をマークし、合計221・06点で2位に入った。

表彰式で優勝の島田麻央(中)と並んだトルソワ(左)
表彰式で優勝の島田麻央(中)と並んだトルソワ(左)

 演技後には昨年8月に出産した長男を抱きながら、報道陣の取材に対応。「練習してきたことをすべてを滑りきることができてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。ただ、出産前に戻るのは現実的に難しいとの見解。北京五輪と同様の構成は「時々冗談で言ったりするけど、厳しいと思う。以前のようなコンディションに戻すのは簡単ではないし、今のルールや格付けを考えても、そこまでする価値があるとは言えない」と断言。その上で「今の自分ができることを着実にやって、あとは様子を見ていくのがベストだと思っている」と語った。

 現在のモチベーションは「自分が取り組んできた成果がしっかりと出すこと。他人の成功を見て刺激を受ける段階はもう過ぎた」と苦笑い。「当のモチベーションになるのは、周りのみんなが出産して、また跳び始めた時くらいですかね(笑い)」と冗談を飛ばす場面もあった。

 最後には「今回積み重ねてきた努力が形になって、本当に満足しています。それが私にとって一番の成果」と充実の表情。自然体を貫くイグナトワは、日本勢の脅威となりそうだ。