今月21日に24歳の誕生日を迎えたフィギュアスケートの紀平梨花(早大)に、明るい表情が戻ってきた。女子シングルで輝かしい結果を残すも、ここ数年は右足首のケガなどで苦しい時間を過ごした。2025年9月末には、アイスダンスへの転向を決断。西山真瑚(オリエンタルバイオ)とのカップルで、30年フランス・アルプス五輪を目指す構えだ。8年連続でバースデーインタビューに応じた紀平は、新たな気持ちでスケートと向き合っている。

真剣な表情で質問に答える紀平梨花
真剣な表情で質問に答える紀平梨花

 ――24歳おめでとうございます

 紀平 ありがとうございます。昔は24歳になったら、もうゆっくりしているかなというイメージでした(笑い)。正直、今の自分は予想外ですね。予想外の人生をたどっているけど、ケガで悩んだ空白の数年間があったからこそ、ここからまた頑張ることができています。 

 ――右足首の状態はどうか

 紀平 もともと古傷は様子を見ながらではあるけど、アイスダンスを滑る上では問題なくできていて、毎日追い込んだ練習ができています。土日を除いた平日5日間は毎日3・5時間滑っていて、オフアイスでは個別でバレエレッスンを入れたり、ダンベルやメディシンボールを使ったウエートトレーニング、週末にはバイクなどを使ったりしながら有酸素運動もしています。

 ――今季はアイスダンス2季目。西山との相性はどうか

 紀平 いい意味で、お互い何でも言い合えているかな(笑い)。演技の一体感もどんどん増しているし、難しいと感じる部分ももちろんあるけど、ネガティブな内容でもポジティブな内容でも「隠さないで何でも言ってね」と言ってくれるので、良い関係値でやれていると思います。このままの調子でコミュニケーションも多く取りながら、良いものを二人でつくり上げていきたいです。

西山真瑚(左)との練習も順調だという
西山真瑚(左)との練習も順調だという

 ――今季は〝しょまりん〟こと本田真凜、宇野昌磨(ともにトヨタ自動車)組がアイスダンスに参戦する

 紀平 シングルの時から一緒に練習していたお二人なので、また一緒に試合に出られるうれしい気持ちもありますが、負けないように頑張りたいです。私たちの目標、夢は変わらないので〝りかしん〟としてやるべきことをまずは今季しっかりやっていきたいです。

 ――最大の目標は4年後の30年フランス・アルプス五輪だ

 紀平〝りかしん〟の一番の目標は五輪です。そのためには全日本選手権で優勝するという目標もかなえないといけないので、まずは自分たちの良さを出せるようにしたいです。だいぶ2人の動きもマッチしてきたし、昨季の自分たちとは見違えるようになってきたので、そこを早く見てもらいたいですね。

 ――今季はどんなパフォーマンスを披露したいか

 紀平 昨季は本当に急いで出場した形だったので自分たちの演技ができなかったけど、今季は自分たちのアイスダンスは「これだ!」と自信を持った演技をしたいです。まずは全日本選手権の表彰台、国際大会の出場を目標に、笑顔でやり切った1年にしたいです。

ケーキの板チョコに舌鼓を討つ紀平梨花
ケーキの板チョコに舌鼓を討つ紀平梨花

【今季のプログラムは?】リズムダンス(RD)、フリーダンス(FD)ともにローマン・アグノエル氏に振り付けを依頼し、拠点のカナダ・モントリオールで約2か月かけてブラッシュアップを重ねた。

 RDはJVKEと藤井風がコラボレーションした「golden hour」と「this is what falling in love feels like」を選んだ。紀平は「なかなか王道のワルツの曲が思い浮かばなかったけど『golden hour』はもともと自分のプレイリストに入っていた。好きな曲で滑れるのはすごくうれしい」と声を弾ませた。

 FDは「Mon Dieu」と「Song for the Little Sparrow」をセレクト。「(西山)真瑚くんが案を出してくれた。2人で去年よりも大人っぽい演技をしたいと話している。愛の映画なので、ロマンチックな感じを表現したい」と意気込んだ。

目標を色紙にしたためた紀平梨花
目標を色紙にしたためた紀平梨花

 ☆きひら・りか 2002年7月21日生まれ。兵庫・西宮市出身。5歳でスケートを始める。シングル時代は2018年グランプリファイナルで初出場優勝。19年、20年は全日本選手権、四大陸選手権で連覇を達成した。その後は右足首のケガに苦しんだが、25年9月にアイスダンスへの転向を表明。西山とカップルを結成し、カナダ・モントリオールを拠点に活動している。愛称は〝りかしん〟。155センチ。