「テコンドー協会VS選手」深まる亀裂 小池強化委員長は五輪テスト大会で居眠り…遅刻の前科も

2019年10月02日 11時30分

会見した金原会長

 掘れば掘るほどウミが出る…。東京五輪代表候補選手の合宿ボイコット騒動で大揺れの全日本テコンドー協会が1日、都内で協議会を開催した。「環境改善」を求める選手側と「旧態依然の体制」が問題視される協会幹部が“直接対決”したが、不満が爆発した選手が途中退席するなど大紛糾。両者の対立はむしろ深まり、“最悪のシナリオ”まで見えてきた。

 協議会終了後、シドニー五輪銅メダルの岡本依子副会長(48)は「今、起こった問題ではなく、ずっと続いてきた。(自分は)ナンバー2ですが、何も変えられなかった」と釈明。その上で現体制について「危うさを感じる。すごく上から目線なところが恥ずかしい。もう資格ないと思っている。誰かが責任を取らないと。理事会を解散するくらいで当然」と不満をまくし立てた。

 選手側の怒りの矛先は、協会が一連の騒動について世界テコンドー連盟へ「選手および指導者は困惑していない」という趣旨の報告書を提出したこと。これには「事実と正反対だ」と選手側は猛反発している。

 しかし、これは氷山の一角。「独裁」「私物化」とやゆされる金原昇会長をトップとした協会、小池隆仁強化委員長が率いる強化スタッフへの不信感は根深い。

 まず、小池委員長には競技会場での「居眠り」と「遅刻」が選手間でささやかれている。9月27日の東京五輪テスト大会の会場で小池委員長が居眠りする動画が選手間で広まっており、過去には遅刻の報告もなされた。これについて小池委員長は「(寝たのは)休憩時間だった」と釈明。他にも「選手は世界選手権の参加が自腹なのに、強化スタッフの弁当が高価だ」との批判も一部から出ている。

 一方、金原会長は「独裁などできるはずがない」と否定するが、もう一つ「反社会勢力とのつながり」という“爆弾級”の疑惑がかけられている。実際、アスリート委員を務める高橋美穂理事は30日にコンプライアンス委員会に調査依頼を提出した。金原会長は「関係ございません」と反社との関係を完全否定するが、ある選手サイドの関係者は「反社が本当だったら解散し、組織が変わるチャンス」と期待しているほどだから末期的だ。

 会見中、こんな一幕もあった。金原会長の見た目について質問が及ぶと、隣にいた小池委員長は「そういう(こわもての)イメージはありますが…」と言葉を濁すと、すかさず金原会長は「そう言われても(怖い)顔は変えられないから」と笑顔を見せた。

 もはや、崩壊寸前の協会は8日に理事会を開催する予定。ここで手打ちにならないと、最悪の事態も免れない。

【騒動の経緯】今年6月、現在の強化体制に不信感を抱く強化指定選手らは協会の理事会へ「意見書」を提出。要望の内容は参加が義務となっている合宿を任意参加に変更すること、公式大会前は所属チームでの調整を認めるなどで、選手側は6月末までの回答を求めていた。

 しかし期限までに回答を得られず、9月17日から都内で行う予定だった合宿に招集された大半の選手が不参加を決断。合宿は成立せず、取りやめとなった。

 協会は同18日付で回答書を公式ホームページで公表。だが、世界テコンドー連盟から騒動の事情を聴かれた際、協会サイドが複数の選手にヒアリングをした上で事実と食い違う報告をしたことで、さらに溝が深まった。