Jクラブが戦々恐々 コロナ感染のプライバシー爆弾

2020年04月02日 16時40分

Jリーグの感染者は第1号となった酒井の発表から3日間で4人に

 Jリーグで新型コロナウイルスの感染者が次々と判明し、サッカー界のオーバーシュート(爆発的患者急増)も懸念される事態となった。そんな窮地の中でJクラブが恐れるのが、チーム関係者への感染が判明した際のプライバシーの“暴露”。選手やクラブに批判の矛先が向けられる可能性があり、“二次被害”に神経をとがらせている。

 新年度を迎えていきなりJリーグに激震が走った。J1神戸が1日にトップチーム関係者1人の新型コロナウイルス感染を公表。3月30日にJリーガーとして初の陽性判定が出たDF酒井高徳(29)に続くチーム内の感染者となった。さらにはJ2群馬のDF船津徹也(33)、J1C大阪のGK永石拓海(24)と立て続けに感染者が出て、Jリーグでは3日間で4人の感染が確認された。

 Jリーグの臨時実行委員会では感染拡大に伴う今後の対応策も議論。村井満チェアマン(60)は「予断を許さない状況」としつつ「J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日を目指し、最大限の準備を行う」と現時点でリーグ再開日程は見直さない方針を示した。ただ、Jリーグで感染拡大の危険性が高まっているのは間違いない。そればかりか、クラブ側にはさらなる悩みの種が…。Jクラブ関係者はこう不安を口にする。

「感染をきっかけに選手やスタッフの私生活が世間にさらされる可能性がある。阪神でも“お食事会”が叩かれているし、もし感染した選手が女性と一緒だったり、大人数の場にいたら…。クラブとして情報の扱いは難しいし、かといって対応が後手に回ったら批判の的になる」

 日本のスポーツ選手として感染第1号となったプロ野球阪神の藤浪晋太郎投手(25)のケースでは、外出自粛ムードの中で10人を超える大人数での食事会が感染源だったこと、さらに女性が同席して感染し、参加した延べ人数も最初の会見時より多かったことなどで猛烈な批判を浴びている。

 本紙が既報したようにJクラブの間ではすでに情報公開の難しさを指摘する声が上がっていた。そうした中で阪神の現状を目の当たりにして、感染経路によっては経緯の情報も“爆弾”になり得ると懸念されているのだ。

 村井チェアマンは「プライバシー、人権にかかわる問題。選手にも家族、知人、友人、多くの関係者のプライバシーもある」と話した上で「一律公表せよとは言えない。原則として選手、クラブの判断になる」と改めて強調。感染者が出た上に選手やクラブのイメージが傷つくことになれば計り知れない大ダメージとなるだけに、今後の対応には難しい判断を迫られそうだ。