禁断の扉は開かれるのか。ノアのGHCナショナル王者・杉浦貴(49)が、他団体出撃を示唆した。昨年新設されたタイトルの初代王者は、4日の後楽園大会でマサ北宮(31)を下してV2に成功。「もっと高い位置に持っていく」と豪語するが、現状で次期挑戦者に名乗りを上げる選手は見当たらない。

 王座戦線の停滞にイラ立ちを隠し切れない様子で「興味ないんでしょ。誰も手を挙げないんだったら、どっか行っちゃおうか。どこに行ったら盛り上がる?」と不敵な笑みを浮かべた。V2成功直後には、同日に隣の東京ドームで興行を行っていた新日本プロレスを意識する発言もあっただけに、穏やかではない。

 しかも新日プロではかつてノアで切磋琢磨したKENTA(38)が、ドーム大会をぶち壊して大炎上中。2月9日大阪城ホール大会でIWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル王座の2冠王・内藤哲也(37)への挑戦が決まっている。杉浦は「KENちゃんも頑張ってるみたいだし。刺激? 全然なるね。ハートが強くないと、あそこまでできないと思う」と絶賛し、KENTAが2冠奪取の暁には“3冠統一戦”への発展を狙う可能性までありそうだ。

「そこ(大阪城)で取ってもらわないと統一戦、できないけどね。あと、うちの(愛犬)ケンタもいるので、お互いの名前をかけてもいいし」と、やたらとリスキーな展開まで想定した。王者の“亡命”となれば、ノアどころか業界に激震が走るのは必至。「今月中。30日の後楽園まで大会があるので、そこまでに誰も来ないのであれば」とリミットを設定したが、果たして――。