WWEと全日本が電撃合体か 秋山をコーチで招へい

2020年03月02日 12時06分

WWEにコーチとして招へいされた秋山

 日米を股にかけたプロレス界再編の波が起こるのか。全日本プロレスの秋山準(50)が、米「WWE」を緊急視察することが分かった。近日中に渡米し、現地では最高執行責任者(COO)の“ザ・ゲーム”トリプルH(50)との会談も予定されている。水面下では昨夏から両団体幹部が複数回にわたって極秘接触していたことも明らかになり、1972年に旗揚げした日本の老舗団体と、世界最大のプロレス団体が“電撃合体”する可能性が出てきた。

 関係者によると、秋山はWWEのトレーニング施設「パフォーマンスセンター」を訪れる他、ブランド「NXT」のテレビマッチを視察する。渡米の主な目的はパフォーマンスセンターでのゲストコーチで、未来のスーパースターを目指すレスラーを指導する。

 きっかけは昨年6月のWWE日本公演。選手としての技量だけではなく、育成能力を高く評価するトリプルHが、対面した秋山に「ぜひゲストコーチを考えてもらえないか」と要請し、その後もWWE幹部が来日して交渉を続けた。三顧の礼で迎えられた秋山も、今年に入り快諾したという。

 本紙の取材に秋山は「日本では後進に譲れと言われていたので、アメリカで必要とされたことはうれしく思います」と語った。WWEはレスラー人生の原点でもあった。レスリング部に所属した専修大3年時の1990年4月13日、全日本、WWF(現WWE)、新日本プロレスによる合同興行「日米レスリングサミット」が行われた東京ドームを訪れた。秋山にとってこれがプロレス初観戦で、一番印象に残ったのがジャンボ鶴田、キング・ハク組VSリック・マーテル、カート・ヘニング組だった。

「鶴田さんがリック・マーテルにバックドロップをやった場面がオーロラビジョンに映って、ぞくっとした。あれがなかったら、プロレスラーになってなかったかもね。全日本とWWEの合同興行だったわけだし、今回そのことを思い出した。不思議な感じだね」

 今後は定期的にコーチとして現地を訪れる可能性もあり「WWEはどういう形でやっているのかを肌で感じたい。俺も今後、何があるか分からないけど、世界一のプロレス団体を見て勉強になるし、新たな発見があるかも」と期待した。

 何より注目されるのは、WWEのリング内外で強い影響力を持つトリプルHとの直接会談が予定されていることだ。前出の関係者によると、昨年6月以降、来日したWWE幹部が全日本幹部とも話し合いの場を設け、両団体は急接近したという。NXTを仕切るトリプルHは昨年の本紙インタビューで、2020年に「NXTジャパン」を立ち上げる可能性があることを認めており、新団体設立に向けて日本の団体とも協力したい意向を持つ。

 男子有力団体では新日プロがブシロード傘下で、ノアがサイバーエージェントグループ入りしたばかり。WWEが、3冠ヘビー級王者の宮原健斗(31)や暴走男・諏訪魔(43)をはじめとした実力者を揃える王道マットに白羽の矢を立てたことは想像に難くない。

 全日本の福田剛紀社長(54)は「秋山がコーチとして呼ばれることはうれしいことですし、全日本のリングが評価されてのことだと捉えています」と述べた上で、WWEとの今後の関係については「まだ何も決まっていませんので。私自身も将来を楽しみにしています。お互いにいい影響が与えられるような、今回の視察になればと思います」と語るにとどめた。

 仮にWWEとの“提携”にまで発展すれば、そのメリットは計り知れない。本紙が既報したように、激動の日本マット界にいよいよ“第3の勢力”が誕生するのか。両団体の動向から目が離せなくなってきた。