中日・立浪和義監督(52)が16日、異例ともいえる要望を出した。この日、一軍に合流した京田陽太内野手(28)に関して「プロだから悪いと言われたり叩かれたりすることもあるが、ちょっとそれが行き過ぎてるなと自分も思います。自分が言われる分なら全然いいけど、自分は選手を守る立場でもある。選手への集中攻撃はぜひやめてもらいたい。これはお願いしたいですね」とネット上での過度な批判や中傷のストップを呼び掛けたのだ。

 京田は今季、打率1割5分7厘、2本塁打、7打点と不調。5月4日のDeNA戦(横浜)でミスをすると「戦う顔をしていない」と立浪監督から試合途中に名古屋への〝強制送還〟を命じられ、そのまま二軍降格となった。この日、約1か月半ぶりにチームに合流すると「戦う顔をしていなかったら皆さん、言ってください。頑張ります」とあいさつしてナインから大きな拍手を浴びた。

 立浪監督は17日の巨人戦(バンテリン)で京田をスタメン起用することを明言。最下位からの巻き返しのためには選手会長の復活はマストだけに立浪監督は「ちょっとシュンとするタイプの選手。今、自分もそうですけど、いろんなことに対してすごく周りから言われる。それを気にする選手でもあるので。プロ野球だからダメなときは言われるのはしょうがないけど、あまり選手への集中攻撃はやめていただきたい」とネット上での誹謗(ひぼう)中傷を強くけん制した。

 以前から京田についてはネット上で度を越した批判的書き込みが見られていた。球団内からも「京田は(ネット上で)叩かれ過ぎでしょ。他の選手がもっと打ってくれるチームにいたら、ショートでこれだけ守れるということがさらに評価されるのに」と同情の声も上がっていた。

 今年3月には中日・福をSNSで中傷したとして40代の男性が愛知県警に侮辱容疑で書類送検されている(5月に不起訴処分)。球団は「(ネットの誹謗中傷で)選手から相談があればしっかりと対応していきたい」としている。