河村たかし名古屋市長(73)が、中日・大野雄大投手(33)に「名古屋市スポーツ栄誉賞」を9日に贈呈した。これは名古屋市在住もしくは名古屋市を活動基盤にしている金メダリストに送られるもので大野雄が同賞の初受賞者となった。

「賞に恥じない活躍をしていきたいです」という大野雄に河村市長は「派手にやってちょー。野球はちょっとおとなしいでね。サッカーと比べるとね。立浪氏におおいに派手にやってもらわないと」と激励。「名古屋の人間というのはね、洗脳された中日ファンなんです。中日スポーツしか見たことない。親父、僕、僕の息子とみんな中日ファン。洗脳されとるんです」と自身が大のドラゴンズファンであることをアピールした。

 この日、大野雄は金メダルを首にかけて登場したが、河村市長が手に取ることはなかった。何人ものスポーツ選手の表敬訪問を受けている河村市長だが、これまでと比べてもこの日は少し静かな印象があった。河村市長と言えば昨年8月、表敬訪問に訪れた東京五輪ソフトボール金メダリストの後藤希友投手(21=トヨタ自動車)の金メダルをかじったことが問題となり日本中から大バッシングを受けている。それだけに贈呈式後の会見では大野雄の金メダルについての質問が出たが「あんまり見んようにしていた。目にまぶしいもんだし」とコメント。贈呈式で気を付けた点についても「あんまりフレンドリーにせんようにしとった」という。やはり昨年の〝金メダルガブリ騒動〟が相当こたえていたようだ。

「当然じゃないですか。祝福せないかんもんで。祝福するのも市長の仕事でしょ」と河村市長は今後もメダリストの表敬訪問については積極的な姿勢を見せているが、昨年の騒動があってからメダリストが名古屋市役所を訪れたのはこれが初めて。地元では「後藤希友投手のメダルをかじったことで、河村市長の求心力は著しく低下しました。あんなことがあると誰だって躊躇する。今回、大野投手が(贈呈式に)来てくれて一番ホッとしているのは市長じゃないですか」(在名テレビ局関係者)という声も出ている。

 ちなみに「(メダリストが来ても)メダルをかじることはない?」という質問について河村市長の答えは「その話はしません」だった。