巨人 “精神的支柱” 炭谷を放出! 「小林と心中」で決まった原監督の覚悟

2021年07月05日 05時15分

トレード発表前日も巨人・小林(左)と炭谷は一緒に練習をこなしていた

 まさに電撃だった。巨人・炭谷銀仁朗捕手(33)が、金銭トレードで楽天に移籍することが4日に発表された。巨人でFA選手のトレードは史上初のケースとなり、出場機会に飢えていた炭谷は再び新天地でチャレンジすることとなった。精神的支柱を失うチームにとっては大打撃。それでも、炭谷の移籍にゴーサインを出した原辰徳監督(62)が下したとされるもう一つの〝重大決断〟とは――。


 この日、神宮球場で行われたDeNA戦の試合中に衝撃が走った。炭谷の楽天移籍が合意。炭谷は2018年オフに出場機会を求めて西武からFA加入したが、今季スタメン出場は18試合(出場は44試合)にとどまっていた。一方で経験豊富な捕手の獲得を目指していた楽天側との思惑が合致し、巨人との3年契約を満了する前に、衝撃のトレード移籍が実現した。

 原監督にとって炭谷は厚い信頼を置く選手の一人だった。何より、3度目の指揮官就任となった際、真っ先にフロントに伝えたのが、当時FA市場に挙がっていた炭谷の獲得。ただ、炭谷本人や球団とも話し合いを重ねた上で「結論的な部分というのは、彼の意思を(最後は)尊重したというところですね」と送り出す断を下した。

 炭谷放出による痛手は避けられない。ナインからは「銀さん」「社長」などの愛称で親しまれ、中でも投手陣からの信頼は絶大だった。チームに動揺が走るのも当然で、原監督はこの日の試合前に自らの言葉でナインにトレードを伝えていた。

 そんな精神的支柱を手放す決断を下した背景には、もう一つの〝覚悟〟があったとの見方もある。それは、小林誠司捕手(32)との〝心中〟だ。球団関係者の間からも「監督は捕手のリーダーとして小林を選んだ。小林に託したということなのではないか」との声が聞かれている。

 現状、主戦捕手となっているのは大城卓三捕手(28)だ。「打てる捕手」としてだけでなく、近年はリード面の評価も高まっている。しかし、小林は今季で8年目。炭谷が抜けることで捕手陣では小林が最年長となる。小林には入団以来、不動の正捕手として君臨した阿部(現二軍監督)らがおり、背番号10の引退後は炭谷…と常に先輩に守られる立場でもあった。ただ、今後はいよいよ〝後ろ盾〟は皆無となる。キャリアや実績、年齢的にも捕手陣のリーダーとしてけん引する役目を小林に託したというわけだ。主将の坂本も自身の後任に、岡本和とともに小林を候補に挙げたこともある。

 原監督はなかなか改善されない小林の打撃などに苦言を呈することも多々あるが、捕手としての資質は誰よりも認めている。また、小林を巡っては何度も「トレード説」を取りざたされたが、そもそも小林の複数年契約を打診したのは他ならぬ原監督と言われている。期待が高いゆえに裏切った時の反動も大きくなるものの、原監督が炭谷の移籍とともに扇の要の行く末を小林に託したとみられているわけだ。

 巨人とファンへの感謝とともに「ジャイアンツで培ったことを生かして、日本シリーズでジャイアンツと戦えるように頑張ります」と新天地へ旅立った炭谷。常勝軍団を構築できるかは、小林にかかっているのかもしれない。

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