阪神・佐藤輝にマル秘育成プラン 「ベンチ座学」で中軸打者の心得を叩き込む!

2021年04月26日 05時15分

先制2ランを放った佐藤輝明

 阪神が25日のDeNA戦(甲子園)に7―5で競り勝った。総力戦となった試合ではドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(22)も、先制6号2ランを放ち、前日のプロ初の猛打賞に続き、しっかりと2カードぶりのカード勝ち越しに貢献。そんな現在進行形の姿とは別に、真の中軸打者になるために〝マル秘育成〟計画による、別の起用法でのアプローチも視野に入っている。

 本拠地でのDeNA3連戦は、佐藤輝にとってジェットコースターのような落差ある展開だった。23日は満塁の右翼守備で正面のゴロをまさかの後逸。打者走者まで生還させ、プロ初失策で敗因を作ったかと思えば、24日はプロ初の猛打賞4打点で汚名返上すると、さらに25日は、2回無死一塁で先制アーチで試合を動かした。DeNA・阪口のカーブを捉え、甲子園の右翼席中段に突き刺さる6号2ラン。「先制点になって良かったと思います」と佐藤輝は悠然とダイヤモンドを周回し、矢野監督も「ああいうところでホームランというのが、佐藤輝の魅力」と称賛した。

 本塁打を打てば6戦負けなし。不敗神話は続く一方で、首脳陣は「これでよし」と満足はしていない。チームの将来を担うため、さらに多岐にわたる角度から成長へのアプローチを試みる模様だ。

 そのひとつが代打などの途中出場要員として試合に起用するプラン。これまで4月4日の中日戦を除き、全試合で「6番・右翼」の〝レギュラー〟出場を続けるが、あえて「控え」のベンチスタートとすることで、プロの試合の流れを客観的な立ち位置から、じっくりと学んでもらうという。

 ここまで6本塁打の内訳は、すべて6回まで。5本が相手の先発投手から放ったものだ。接戦の終盤で価値ある一発を放つことに越したことはないが、そう甘くないのがプロの世界。試合を左右する終盤の打席における重要性は、テーマの一つになりそうだ。

 実際、21日の巨人戦では、1点を追う9回先頭で佐藤輝は、敵の守護神・ビエイラに対し、ボール球にも手を出した末に三振に倒れ、試合後には井上ヘッドコーチも「あれを本人が今後、どう考えるか。仮にも、四球を選べば(代走を起用し)さらにチームとして1点を奪いに行く作戦もあった」と振り返っている。代名詞のフルスイングは最大の武器ではあるが、時と場合によっては、あえて自分のスタイルを崩し、チームの勝算を高める必要がある。ルーキーにそんな試合の機微を学んでもらうのが〝ベンチ座学〟の意図するところだろう。

 そのタイミングも間もなくやってくる。来日が遅れていた新外国人・ロハスが20日から二軍に合流しており、早ければ今月中にも一軍に昇格する。右翼か左翼での出場が見込まれ、これまでほぼ〝不動〟だった佐藤輝の起用法にも変化が生じる見込みだ。そんな近い将来を見据えてか、試合前練習にも、今3連戦から変化の兆しが出ている。

 シーズンでは行っていなかったロングティーを24日から打撃練習に取り入れ、下半身への負荷を意図的に増やしているほか、守備では内野手に交じり、遊撃などでノックも受けだした。大学までは三塁が本職だっただけに、ゆくゆくは内野起用も、オプションになると踏んでいる。

 いずれも、これまではセーブしていた中長期的なビジョンに主眼を置いたメニュー。そんなことからも、シーズン中の佐藤輝育成法が、これまでの「試合集中型」から「将来型」へと移行する可能性は大だ。

 新人で開幕から1か月で6本塁打は立派な船出。一方で虎首脳陣は、目先よりもさらに大局的な見地から、怪物新人を〝本物〟にしたいと考えている模様だ。

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